《大海の部屋》vol.05 最多勝争い真っただ中! 今季ここまでを振り返る 愛妻への感謝も
確実に力強く歩むエースの道
日本ハム・伊藤大海投手(27)の連載手記「大海の部屋」第5回は、プロ4年目シーズンのここまでを振り返ります。チームメートからの「変わった」という声に、道産子右腕の反応はいかに―。タイトル争いを繰り広げる活躍の裏には、歴代のエースを務めたダルビッシュ有、上沢直之の影響があったという。
※(連載手記『大海の部屋』は、北海道新聞の紙面でも要約版がお読みいただけます。今回は9月20日付の新聞に掲載します)
女房役からのお祝いメッセージには??
先月31日に27歳の誕生日を迎えました。たくさんのお祝いメッセージありがとうございます。(女房役の伏見)寅威さんからは、DMで「34歳おめでとう」と来ました。なんで34歳なのか意味が分からなかったのですが、寅威さんの年齢を見て、あっ!そういうことかと。同級生に見えるのはしっかりしているのか、態度デカいのかどっちか分からないですけどね(笑)
ここまで13勝4敗の防御率2.75
ここまで、防御率は2点台ですけど、勝ちが付いていることはすごくいいことだと思います。負けた状態でマウンドを降りて、ひっくり返してくれた試合もたくさんある。チームがいい成績なことはポジティブな要素なので、そこは素直にうれしいです。
4年目の余裕 「視野が広くなってきたかな」
自分が変わった自覚はないですけど、みんなが変わったと言うなら、変わったのかな。4年目になって余裕ができたじゃないですけど、周りを気にかけたりできるようになってきました。今、話しかけていいかな、1人になっていないかな、大丈夫かなと、目配り、気配りができて、実行できるようになりました。
前まではいくら後輩といっても、プロの世界で自分よりキャリアが長い後輩が多かった。1、2年目の人に言われても、何も響かないだろうなと思っていました。ちょっとずつ言ってあげられる立場にはなってきた。そういう意味で、視野が広くなってきたかな。
WBCでのダルの姿 上沢の立ち振る舞いに感銘
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いつも名前を出して申し訳ないですけど、(昨春の)WBCの時に見たダルさんの姿がすごく大きかったかなと思います。野球自体、1人でやることではないので。
上沢さんが抜けたのも大きかった。あそこまでにはなれないですけど、代わる存在に自分がなりたい。立ち振る舞いもそうですし、マウンドでの姿、普段の言動、行動。チームの道しるべとなる姿を近くで見ていて感じたので、やらないとな、という気持ちになりました。
心がけるマウンドでの平常心
マウンドで一喜一憂することもありますけど、それを試合中に出して良かったことはない。点が入った時も、点を取られた時も同じ。最終的に勝った時にその喜びが出れば良いと思うので、試合の中での気持ちの波をつくらないようにすごく意識しています。
上沢さんもそれは意識していた。いくら自分の調子が悪くてもそれを見せないというか、守っている野手に不安な姿を見せないようにしていたので、それは見習わなきゃなと思いました。
OB杉谷氏からのエール 「やっと理解できるようになった」
2年目のオフにイベントで(球団OBの)杉谷(拳士)さんと一緒になった時、僕へ期待することとして「ポーカーフェース」と書いた色紙をもらったんです。家にずっと飾っているんですけど、その意味がやっと理解できるようになった気がします。今度会ったら、そのことを伝えたいです。
ルーティンとなっているエスコンでのウオーキング
オフに結婚して、規則正しい生活を送れています。朝起きるのも早いですし、エスコンでのウオーキングは去年10月からずっと続けています。だいたい練習が始まる3時間前とかに着くようにしているので、デーゲームの日は朝6時に家を出ることもあります。体の不調もないので、ここまでやったらずっとやり続けたい。意味あるなしにかかわらず、続けることに意味があるのかなって。
コースはエスコンのバックヤードをだいたい8周歩いています。もともと三塁側周りと一塁側周りを4周ずつしていたんですけど、センターに(球団創立50周年を記念した)壁画があるじゃないですか。この人たちに背を向けて歩くのは良くないなって気付いて、それからずっと一塁側周りです。
「何でも良い」愛妻の手料理
妻のサポートにも感謝しています。僕の寝る時間とかを計算してご飯を作ってくれるので、ありがたい。メニューは豊富だし、全部おいしいです。割と舌が肥えてる方なんで、作るのはめっちゃ大変だと思います。
女性からしたら腹が立つと思うのですが、何食べたいって聞かれて答えるの嫌いなんです。ご飯が出てきた時に、「あ、きょうこれだ!」と思って、うれしくなるタイプ。「何でもいい」じゃなくて、「何でも良い」。何でもありがたいっていう。
チームの変化を実感 さあシーズンは最終盤へ
今年のファイターズは、ホントに明るくて仲の良いチームだなって感じます。僕が変わったより、チームが変わったと思います。緊張感のあるシーズンの後半は経験したことなかったので新鮮ですし、これからが大事な時期。この環境でプレーできることをありがたく感じなきゃですね。