《荒木大輔のズバリ解投》阪神のバースや横浜のローズを思わせる選球眼
■パ・リーグ20回戦 日本ハム5ー6楽天(9月16日、楽天モバイルパーク宮城)
最も難しい最少点差での継投策
この日ばかりは継投がハマらなかった。先発した金村が5回で66球を投げ、2失点で降板した。ベンチでの表情を見ている限り、アクシデントがあったとは思えない。この時点で3―2と1点差。最少点差での継投は一番、難しいケースだ。出て行くリリーフ陣はもちろん、守備陣にも大きなプレッシャーがかかる。ベンチも気を使う。次カードのソフトバンク2連戦を見据えると、中継ぎ陣を取っておきたい状況でもある。
クライマックスシリーズも見据えた起用
通常では考えにくい継投策。それでも首脳陣は選択した。そこには必ず理由がある。ソフトバンク2連戦の後、スターターの間隔を詰めていこうとしているのか。いずれにせよ、クライマックスシリーズも含めた今後を見据えた起用ということだろう。
活発な打線に問題なし 中でも絶好調なのは…
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
敗れはしたが、打線の状態は悪くない。中でもレイエス。今は、投げようがない。一回の本塁打はカーブに食らい付いた。しかもボール球にも見えた。追い込まれながらも捉えた。九回、則本から打った左前打も見事だった。ストレートをファウルし続けた後のスライダー。バットが泳ぎながらも、ヘッドを返して持っていった。決して失投ではない。打ったレイエスを褒めるしかない。
選球眼+パワー 非常に嫌なバッターのレイエス
なかなか外国人にはいないタイプだ。選球眼がいい上にパワーを兼ね備えている。私が現役時代に対戦した打者でいえば、阪神のバースや横浜のローズだろうか。西武で投手コーチを務めていた時代にはロッテにベニーというバッターがいた。選球眼が良く、1番で起用されることもあった。選球眼だけなら、打たせて取ることも考える。ただ、レイエスには一発もある。投げる立場から見れば、非常に嫌なバッターだ。
確実にレベルアップしている万波&田宮
万波や田宮にも確かな成長を感じる。2人とも、打席でしっかりと粘れている。この日は結果を出したが、ヒットが出なくても粘りや四球でチームに貢献できる。打率や本塁打など、数字に目がいきがちではあるが、確実にレベルアップしている。