堀瑞輝 圧巻3連続三振でリベンジ成功 「ずっと自分にムカついている」
■パ・リーグ20回戦 日本ハム5ー6楽天(9月16日、楽天モバイルパーク宮城)
これぞ本来の姿だ! 5番手登板で圧巻のピッチング
日本ハムの堀瑞輝投手(26)が16日、楽天モバイルパークで行われた楽天戦に5番手で登板し、イニングまたぎで3者連続三振を奪った。
精彩を欠いた前回登板から一転、圧巻のパフォーマンスを見せつけた。
新庄監督も絶賛の内容 「あれなんですよ」
13球の力投で悪夢を払拭した。出番は逆転を許した七回に訪れた。一死二塁から好調の小郷を3球三振に仕留めると、続く小深田はスライダーで空振り三振。1球たりともバットに触れさせずピンチを脱出した。
八回も続投した堀は、3番・辰己も空振り三振で料理。勝利への執念をマウンドで示した。投球を見守った新庄監督は「腕が振れてましたよね? あれなんですよ」と、本来の実力を発揮した左腕を褒めたたえた。
まるで敗戦投手 常に自分に厳しい左腕
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それでも本人は試合後、笑みを浮かべることなく、淡々と投球を振り返った。
「感覚と、出てるパフォーマンスにズレがあって、自分にムカついている。周りからの見え方やデータも含め、しっくり来ていない。イメージに数字が付いてこなくて、ずっとムカついてます」と、まるで敗戦投手のように唇をかみしめた。
役割を果たせなかった前回登板
14日の同戦では、2番手でマウンドへ上がり3失点。この日と同じ小郷、小深田、辰己の左打者3人に対して安打、犠打、四球と全く仕事を果たせないまま、次打者の浅村に痛恨の3ランを浴びた。
ベテラン捕手から的確なアドバイス
思うような投球ができず、自らに向ける怒りの感情は、ますます膨らんだ。ぶつけどころのないイラ立ちを抱えた左腕に、寄り添ってくれたのは女房役の伏見だった。
「(伏見)寅威さんは『要求したところに投げてくれてホームランを打たれた。ああなったのは、ただの結果だから。おまえの反省点は、そこじゃない。左3人の場面で出て、辰己にフォアボールを出したこと』って言ってくれました」
的確な助言は、冷静さを取り戻すに十分だった。今は思考を整理し、やるべきタスクに取り組む一方、熱くたぎる怒りのエネルギーも力に変換できる。
シーズンは佳境へ 「行けるところで投げるだけ」
「今季の自分の仕事は、勝ちパターンで投げることじゃない。きょうみたいな試合で1人だけ投げたり、回をまたいだり。行けるところで投げるだけです」
心は熱く、頭はクールに。貴重なサウスポーは、シーズン最終盤に躍動する。