宮西尚生が1回無失点 ブルペン陣の精神的支柱はまな弟子へ喝「ど真ん中にぶん投げろ」
■パ・リーグ20回戦 日本ハム5ー6楽天(9月16日、楽天モバイルパーク宮城)
頼れる鉄人サウスポー 今季17ホールド目を記録
日本ハムの宮西尚生投手(39)が16日、楽天戦(楽天モバイル)で1点リードの六回から2番手でマウンドへ。相手の上位打線を3人で封じ、今季17ホールド目を挙げた。
チームは逆転負けを喫したが、日本一を知る最年長サウスポーの存在感は絶大だ。
百戦錬磨のベテラン 切り替えも必要
前回11日の西武戦(エスコンフィールド北海道)では、2点リードの八回から登板し、救援失敗。悔しさをにじませていたが、数々の修羅場をくぐり抜けてきた左腕は、くよくよしない。
それ以来のマウンドにも「そういう日もあるし、もう忘れた」と切り替えていた。
役割を全う 2死からのヒットにも動じず
六回と早い回での継投に「想像より早めの登板だったけど、(先発の)金村は左の小郷とかに打たれていたからね」と冷静に分析。「点を取って取られての試合やったから、なんとか抑えないと」と試合の流れを読み、自分の役割を理解していた。
小郷、小深田を連続三振に仕留め、2死から辰己に安打を許したが、けん制で刺して3人で終わらせた。
「あそこは、左をとりあえず抑えてくれという継投だったから、辰己には打たれたけど、始めの2人はしっかり抑えられたから良かったかな」。きっちり任務を遂行し、仲間にバトンを渡した。
激しいCS争い 重圧を背負うリリーフ陣
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シーズン終盤に入り、盤石のリリーフ陣にも疲れが見えてきた。この日は宮西の後を継いで七回から登板した池田、柳川が崩れ、一挙4点を失って逆転された。
踏ん張りどころを迎え、経験豊富なベテランは「こうやって優勝争い、CS(クライマックスシリーズ)争いしている経験ってないから、プレッシャー的にもしんどい。リリーフは常に気を張らないといけないから」と語る。
17年目左腕が説く 「1点でも少なく。どんな状況でも」
楽天相手に連敗を喫したが、打線は九回に1点差まで追い詰めるなど活発。今後の戦い方について「野手がこうやって最後まで粘って逆転してくれたり、そういう試合がここ数試合、続いている。リリーフは点を取られることもあるけれど、1点でも少なく。どんな状況でも、そこが大事になってくると思う」と展望を明かした。
堀へ厳しくも的確なアドバイス
後輩が打たれてヘコんでいたら、フォローを忘れない。
「状況を見てすぐ(話を)するパターンもある」と、タイミングを見計らって声をかける。「コイツの場合はブチ切れよ」。自主トレを共にする堀には、あえて厳しい言葉を投げかけていた。
14日の同戦で堀は、1点差に詰め寄った直後に2番手でマウンドへ。四球が絡んで3ランを浴びたまな弟子の姿に、居ても立ってもいられなかった。「腕振って放れやって。きょうも一喝したけど。ボールの質はずっと良かった。それが四球を出したら、勝負どころじゃなくなっちゃう。自分の気持ちやから。あんなもん。コントロールできないんだから、そんな器用なことするな。とりあえずど真ん中にぶん投げろ」。シンプルなアドバイスで奮起を促した。
後輩左腕の〝復活〟に安堵
師匠のゲキが効いたのか、堀はこの日、回またぎで3者連続三振。吹っ切れたようなパフォーマンスを見せ、宮西も「それで良かったと思うよ。三振取ったのも、高めに抜けた球なんだから。打たれるのもたぶん抜け球だし、抑えるもの抜け球。そういうタイプやし」と、ご満悦だった。
シーズンは佳境 まだまだチームを支える
厳しくも温かい。レジェンド左腕は、まさにチームの精神的支柱となっている。