元巨人の2メートル左腕・阿部剣友が〝投げる国家公務員〟に転身 日本選手権北海道地区予選で再デビューへ
9月21日から北海道地区予選
社会人野球の2大大会の一つ、日本選手権北海道地区予選が9月21日から札幌・大和ハウスプレミストドームで開催される。2年ぶり3度目の本大会出場を狙う航空自衛隊千歳に7月中旬、昨オフで巨人を戦力外となった北斗市出身の2メートルの長身左腕・阿部剣友投手(22)が合流した。背番号は「51」。
訓練期間中はボールに触れず
今春に入隊。3カ月の訓練期間を経て〝大型ルーキー〟が編隊に合流した。訓練期間中はボールに触ることも許されず、感覚はまだ戻りきっていない。体重も106キロから98キロまで落ちたが、チーム唯一の左腕は「ちょっとずつ腕も振れて強いボールが増えてきた。その確率を上げられたらバッターとも勝負できて、自然と荒れ球も減って抑えられる。硬いマウンドは(プロで)投げていたんで、そっちの方がいい」。社会人デビュー戦へ向けて意気込んだ。
巨人時代の背番号は「051」
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背番号は51。札幌大谷3年の大会終了後、同じ長身左腕の元メジャーリーガー、ランディ・ジョンソン(61)を参考にした。巨人ではランディの「51」から「051」。空自でも空き番号だった「51」に決まったが、「特にランディ・ジョンソンとか意識してないですけど、巨人の名残で」と照れ笑いを浮かべた。
ベッドから足はみ出る 迷彩服間に合わず
全てが規格外だ。埼玉・熊谷での基本訓練では、寮のベッドが寸足らずで足がはみ出ていた。さらに巨体に合う迷彩服が間に合わず、1人ジャージーで参加。訓練終了間際になってようやく届いたという。チームのユニホームも特別オーダーになったが「しょうがないですね」と苦笑い。配属は千歳基地の装備隊で、研修を経てF15の整備などに携わる予定だ。
元同僚の活躍に刺激 社会人野球で輝きたい
元巨人でアマ球界で再起を図る仲間に刺激を受ける。22年に引退した、15年ドラフト1位の桜井俊貴投手(30)がスカウトを経て、ミキハウスの投手として都市対抗に出場。また21年に引退した山下航汰投手(23)も三菱重工Westで都市対抗に出場した。「(山下は)巨人でかぶっていたので、いいなと思いました」。NPBでは支配下に届かなかった悔しさを胸にしまい込み、社会人野球で脚光を浴びる。