宮西尚生が日本歴代4位に並ぶ867試合登板 2軍で試みた覚悟の〝荒療治〟が躍進のきっかけに
■パ・リーグ22回戦 日本ハム3-2ソフトバンク(9月17日、みずほペイペイドーム)
日本ハムの宮西尚生投手(39)が17日、みずほペイペイドームで行われたソフトバンク戦の八回に救援し、日本歴代4位に並ぶ867試合登板を達成した。3分の2回、1失点の悔しい内容も、後続のリリーフ陣がリードを守って勝利。17年目の鉄腕がまた一つ、勲章を手に入れた。
個人の数字よりも次の試合
1950年代から70年代にかけて阪急でプレーした梶本氏に並んだ。ほかに上位は、1002試合を数える岩瀬氏(中日)と、米田氏(阪急など)、金田氏(国鉄など)だけ。日本プロ野球の歴史をつくったレジェンドに追随している。宮西は大先輩たちに敬意を示しつつ「なにか、実感が湧かない。自分のことやし。まだ試合はあしたもあるので、そんなこと(個人の数字は)気にしていられへん。しんどすぎて(笑)。あしたに向けて頑張ります」と次回登板を見据えた。
荒治療が成功し「強運の持ち主やと思う。前世、だいぶ徳を積んできたんかな」
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今季は開幕を2軍で迎えた。世代交代も進む中、1軍昇格の道のりが厳しいと察していた。そこで、荒療治とも言える手段を用いた。習得中のチェンジアップを早く、使える球種に仕上げるため、生命線のスライダーを封印。直球とチェンジアップだけで、実戦に臨んだ。
打ち込まれれば、1軍昇格はさらに遠のく。そのリスクを背負った上で、直球とチェンジアップだけで結果を残してみせた。そして6月中旬、1軍に呼ばれた。宮西は当時を振り返り「開き直り。そういう性格やから。やると言ったらやるし、逆にそれしかやらんし。極端やから。全てうまいこといった。運が良かった。強運の持ち主やと思う。前世、だいぶ徳を積んできたんかな」と冗談交じりに笑った。
個人目標はもうない
もう、数字にはとらわれていない。「400ホールドでやり切った。個人目標はもうない」。今、最も欲しいのは、チームの勝利。そのために、目の前の1試合、打者1人との勝負に集中する。