今季限りで現役引退の鍵谷陽平 鎌ケ谷ラス投 1回パーフェクトの快投締め
■イースタン・リーグ15回戦 西武0ー4日本ハム(9月20日、鎌ケ谷スタジアム)
七回に3番手で登板 打たせて取って3人斬り
日本ハムの鍵谷陽平投手(33)が鎌ケ谷ラスト登板を果たした。
5日に今季限りでの引退を表明。七回に登板した鍵谷は1回をパーフェクトに抑えた。25日にはエスコフィールド北海道で引退セレモニーが行われる。
ファンが見守る中で本領発揮 試合後には胴上げ
979人の観衆が33度の酷暑に耐えながら鍵谷の投球を見守った。178センチ、90キロの体をフルに使い、捕手の構えるミットに10球を投げ込み、きっちり3人で仕留めた。
「気持ちを込めて全力で投げました。最後、締まった試合ができて良かった。ここ(鎌ケ谷)からスタートした。ジーンとくるものがありました。多くの人の拍手はうれしかった。こういう機会をつくってくれて感謝しています。」。試合後、胴上げセレモニーが行われ、鍵谷の体が7度、宙に舞い、鎌ケ谷ラス投を締めくくった。
恩師も目を見張った12年間のプロ生活
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七飯中学では軟式野球の投手だった。当時、視察に訪れた北海高の平川敦監督(53)は「ポチャリした体つきだったけど、腕の振りが良かった。ストライクゾーンで勝負しており、まとまっていた」と振り返る。ただ、「12年間もプロで活躍。セレモニーまでしてくれる選手になるとは思ってもみなかった」と正直に明かした。
16年のリーグ優勝&日本一に貢献
北海高―中央大と進み、2012年のドラフトで日本ハムに3位入団。リリーフとして重要な役回りを任され、2016年には中継ぎで48試合に登板。4年ぶりのリーグ優勝に貢献し、日本一の原動力となった。
2019年6月にトレード移籍となり、巨人でも19年、20年のリーグ連覇に貢献した。昨季はけがも重なり、戦力外となったが、古巣で育成から再起を図っていた。
古巣に復帰し肉体強化 勝ち取った支配下登録
今季、鎌ケ谷では体づくりをイチから見つめ直し、体力を増強させた。「これまでにないボリューム」のウエートトレーニングを実施。6種類ある変化球の精度を上げてきた。7月末には支配下登録された。1軍での通算成績はここまで25勝15敗、84ホールド、7セーブの防御率3.46。登板数は419だった。
快挙達成の大谷を祝福 「大事な何かを教えてくれた」
米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手(30)とは日本ハム入団同期。16年にはともに日本一を経験した。この日、大谷は「50-50」の快挙を達成した。
「(自身の鎌ケ谷での)最後の試合(の日)に、あんなことするなんてストーリーを感じる。同期で頑張っているのは翔平だけになってしまった。翔平の活躍はみんなの刺激になっている。頑張れば上を目指せると、大事な何かを教えてくれた」と笑顔で話した。
稲葉2軍監督も万感の思い 「良い指導者になれる」
鍵谷が最後に投じた球はこの日最速の147キロを計測した。稲葉篤紀2軍監督(52)は「引退するのはもったいないと感じました。真剣勝負の中でしっかり抑えていた。素晴らしかった。若い選手の良いお手本になっていた。良い指導者になれる」と今後に期待した。