河野竜生 復帰戦で1回無失点「自分で試合を終わらせないように。それだけを考えて」
■パ・リーグ21回戦 楽天3ー7日本ハム(9月20日、エスコンフィールド北海道)
20日ぶりの1軍マウンドで役割を全う
日本ハムの河野竜生投手(26)が20日、エスコンフィールド北海道で行われた楽天戦に2番手で登板。8月31日の西武戦以来となる1軍マウンドを1回無失点で切り抜けた。
頼れる左腕は少しのリフレッシュ期間を経て、力強く勝負の舞台に帰ってきた。
相手は絶好調のイヌワシ打線 「なんとかチームに貢献したい」
久々に味わう本拠地の空気と、温かな声援が心地よかった。出番が訪れたのは1点リードの六回だ。5連勝中の楽天打線は、この試合でも五回までに8安打3得点を挙げ、先発のバーヘイゲンを攻略していた。
勢いづく相手にブレーキをかけるため、河野は「緊張しましたけど、負けられない試合が続いている。なんとかチームに貢献したい。それだけでした」と心にスイッチを入れ、感覚を研ぎ澄ました。
1死から四球も後続をピシャリ 女房役の郡司に感謝
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独特の緊張感は、微妙に手元を狂わせた。1死から珍しく四球を与えたが、得意の球種を駆使することで後続を断ち切った。
投じた全21球のうち、実に15球がカットボール。「(制球に)ばらつきがあったけど、久しぶりにしては良かった。捕手の郡司さんがバッターを見ながら(配球を)決めて、うまくリードしてくれました」と女房役に感謝した。
建山コーチも高評価 「河野らしさが出ていた」
小深田、辰己ら左の好打者を封じたことには大きな意味がある。建山投手コーチは「慎重になる部分もあったと思うけど、左打者にスイングさせないという点で、河野らしさが出ていた。あのボール(カットボール)を嫌がる打者は多い。それ頼りではダメだけど、そこからどう投げるかも含め、いいピッチングでした」と賛辞の言葉を並べた。
8月に失速し2軍落ちを経験
開幕から勝ちパターンの一角を担うも、夏場に失速。8月は防御率6.14と打ち込まれ、9月1日に出場選手登録を抹消された。子煩悩なパパは家族に会えない寂しさを感じながら、蓄積した疲労を取ることに集中した。
再出発に気持ち新た 「次の投手に良い流れで渡したい」
この夜、ファミリーが観戦した復帰戦で結果を残し「こっち(北海道)で投げている姿を見てもらえて、チームの勝ちにも貢献できた。今後もチャンスがあれば、しっかり次の投手に良い流れで渡したい。自分で試合を終わらせないように。それだけを考えてやっていきます」。
リーグ最多のホールド数を誇るサウスポーが、シーズン最終盤に上々のリスタートを切った。