【プレーバック・写真入り】J1第31節 町田0-0札幌(9月21日、東京・町田GIONスタジアム)
首位・町田と103分間の死闘ドロー 敵地で貴重な勝ち点1奪取
北海道コンサドーレ札幌は首位のFC町田ゼルビアとアウェーで対戦し、0-0で引き分けた。試合終盤にはGK菅野孝憲(40)がポストに激突して負傷退場するアクシデントもあったが、後半アディショナルタイム13分を含めて計100分以上の死闘をスコアレスドローで終えた。
フィジカルに強いFWを擁し、カウンターやロングスローなどのセットプレーから得点が多い町田対策として札幌は守備時に4バックを組んで臨んだ。前半18分まで4本のロングスローでの攻撃を浴びたが、ことごとくはね返していく。鋭いカウンターも菅野やDF岡村大八(27)、5試合ぶりにボランチで先発復帰したMF宮澤裕樹(35)を中心に食い止めていった。
同29分にはその宮澤のダイレクトパスを起点にMF近藤友喜(23)が敵陣右サイド深くに抜け出し、クロスを上げるもゴール前に合わせる選手が走り込めず。札幌はチャンスをつくるものの決定機までは持ち込めないという展開が続いた。
前半終了間際には宮澤が相手との接触で右腕付近をピッチに強く打ちつけて負傷。後半開始6分でプレー続行不可能となり、代わりに今季リーグ戦初出場となるMF深井一希(29)が同ポジションに入った。
後半18分にはMF駒井善成(32)のスルーパスに反応したFW鈴木武蔵(30)がDFライン裏へ抜け出し、ペナルティーエリア手前で切り返すも相手DFを振り切れずにシュートまで持ち込めなかった。その後は右サイドから近藤、左からはMF青木亮太(28)やDF中村桐耶(24)といった推進力のある選手たちが陣地深くまで侵入してチャンスを構築するも、最後のフィニッシュまでに至らなかった。
試合終盤になっても互いの集中力は切れず、膠着(こうちゃく)状態が続く。途中出場で右サイドバックに入ったFW菅大輝(26)が同36分にカウンターで抜け出し、カットインして得意の強烈左足ミドルを放ったが、これはGK正面。その1分後には町田も負けじと日本代表MF相馬の左クロスからFWミッチェル・デュークがヘッドで合わせたが、これもゴール右に外れた。
だが、その際にボールに反応した菅野がポストに激突し、左上腕部付近を痛めて負傷退場。代わりGK児玉潤(27)が入って、J1リーグ初出場となった。
9分と表示された後半アディショナルタイムは町田の猛攻を受け、札幌がカウンターを狙う展開に。2本のロングスローに加え、後半トータルでは10本のセットプレーに耐え続け、同10分には相馬の左クロスが菅の体に巻き付いていた右手に当たったが、VAR検証の結果、セーフ。その直後の町田左CKでは、相手DF杉岡のヘッドが札幌の左ポストを叩くも、これも得点にはつながらなかった。
結局、両者は同13分まで激闘を繰り広げ、ともにゴールを奪えなかった。それでも首位の町田を相手に無失点に抑えた札幌は、敵地での貴重な勝ち点1を手にした。
試合後、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(66)は「特殊なサッカーする町田に対し、我々もチャンスを多くつくれていた。今のチーム状況を考えれば勝たなければならなかったが、(勝ち点)1ポイントを持って帰られることは良しとしなければならない」と話した。
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