【鍵谷陽平 引退企画】チームメートが語る道産子右腕の人柄 宮西、中島、松本剛から 愛あるメッセージも
12年間のプロ野球人生 付き合いの長い3人を直撃!
今季限りでの引退を表明している日本ハムの鍵谷陽平投手(34)が25日の楽天戦(エスコンフィールド北海道)で先発マウンドに立ち、試合後にはセレモニーが行われる。七飯町出身の道産子右腕は、今オフ育成契約で古巣に復帰。再びファイターズのユニホームに身を包み、12年間のキャリアに終止符を打つ。道新スポーツでは親交の深いチームの先輩、同級生、後輩を直撃取材。3つの共通質問をぶつけ、周囲から愛されるその人柄に迫った。
気ぃ使いのお兄ちゃん 「どこにいても必要とされる人間」
後輩・松本剛外野手(31)
①どんな人
「めちゃめちゃ真面目で気ぃ使いですかね。後輩にも気を使ってくれるし、もちろん先輩にも。敵がいなかった気がします。ピッチャーなのに野手とも仲良いですね。結構、人を見ているし、見てくれている。良い意味で。話しやすいし、いろんな人に声かけたり、絡んでいる姿を見ているから、僕からも行きやすかった。ピッチャーもみんな慕っていると思います。お兄ちゃん的存在ですよね」
②一番の思い出
「難しいな~。家にも行ったことあるし。(日本ハムに)戻ってきてからは連絡が来たり、どうなの?みたいな話はいろいろしました。なにかと相談しやすい。私生活にしても。(同じ女の子のパパとして)子どものこととか結構、相談させてもらいました。一緒に野球できるのを楽しみにしていた部分もあるので、それができなくて寂しいし、悲しい気持ちはありますけど、ジャイアンツまで行って厳しい環境で投げて、戻ってきた時に余裕というか、人として一回りも二回りも成長したような気が勝手にしていました。もともとパワー系のピッチャーで、そこは苦しんでいる姿も見てきたので」
③頼れる先輩へメッセージを
「鍵さんのことだから、今後、何するか分からないけど、どこにいても必要とされる人間だと思う。最後にセンターで守って投げるのを見たいですね」
ザ・いい人 「野球界には残ってほしい」
同級生・中島卓也内野手(33)
①どんな人
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「もう、ザ・いい人。同級生で年一緒だし、仲良くなりましたね。本当いい人ですもん。誰とでも同じ対応じゃないですけど、若い選手とかでも普通に話せるし。ご飯も結構、連れて行っているし、野手とも仲良いし。周りへの対応力というか、僕が持っていないものです(笑)。面倒見もいいなって。どこか飯行こうとなったら、決めてくれますね。アイツ食いしん坊なので。自分が食べたいもの食べたいんじゃないですか」
②一番の思い出は
「思い出はありすぎます。ハワイへ旅行にも行きましたね。鍵谷だけではなく、(石川)慎吾、(西川)遥輝とか近ちゃん、有原、高梨とか、オフシーズンにそのメンバーで集まったり。最近はコロナもあってできていないですけど。そのメンバーが集まると、やっぱり一番おもろいっすね。この世界なのでいろいろなところ行って仕方ないですけど、たまに球場で会ったり、気になりますもんね。成績とか、その近辺の人たちが引退となると、そういう時が来たなって感じはあります。寂しいですよ。ちょっとどころじゃない。(引退の報告を受けた時は)びっくりしました。ここで?って。うすうすなんか雰囲気あったけれど。今年、育成でファイターズに帰ってきて、支配下になって本人もこの1年って考えていたんじゃないですか」
③親友へメッセージを
「これからも、よろしくって。鍵谷の分もとか、そういうのないです(笑)それこそ僕も…そうなので。同級生が引退…加藤翔平(中日)、金子侑司(西武)もそうですし、そういうの見ると、そういう年代になってきたんだなって。去年も谷内とか引退したし。その分までというか、長く現役ではやりたいなって。これからずっと会えないわけではないので、本当これからもよろしくです。いろいろ相談したり、相談相手にもなっていたので、野球もそうだし、プライベートもそうだし。引退決まって『第2の人生、何するん?』って聞いたら、本人もやりたいこともあると言っていたので、ちゃんと考えているんだろうなって。何でもできそうですよね。野球界には残ってほしいと思いますけど、会える機会が増えるので。今年はキャンプとかも一緒にやっていたし、最近は飯行く機会も多くて、やっぱり安心する存在です」
ちょっと珍しいタイプ 「最後に一緒にできてうれしかった」
先輩・宮西尚生投手(39)
①どんな人
「真面目でしっかりと状況判断ができる人間かな。野球も私生活も。例えば、誰かを紹介した時に、対応がきっちりしている。冗談でイジり合ったりしているけど、関係性をつくってからできる。ちょっと珍しいタイプかもしれん。ピッチャーは自己中が多いから(笑)。自分の芯を持ちながら柔軟に対応できる器用な子やと思う」
②一番の思い出は
「もう言われへん、こんなの。言えないことが多すぎる。アイツとの思い出は(笑)。鍵谷に裏の顔があるとか、そういうことではなく、自分の首を絞めるだけやから、言いたくない。まあ…ちょっとだけ。昔、一緒にメシを食っていて、先に帰りたくなったから帰り支度をした。鍵谷のことを信頼していたから、財布を渡して『これで、最後に支払いをしておいて。俺、帰るわ』と言ってタクシーに乗って走り出したんよ。そうしたら、運転手さんに『後ろから誰か追っかけてきていますけど、大丈夫ですか?』と言われて。鍵谷が猛ダッシュしていた。止まってもらって『どうした?』と言ったら『ミヤさん、財布を僕に渡したのに、どうやってタクシーで帰るんですか?』と。めっちゃ若い時やけど。電子マネーとか普及する前だから、支払い手段はなんもない。一文無しでタクシーに乗っていた。『え、ホンマや!』と言って(笑)。そんなことがあったかな。野球の思い出はない。というか、ありすぎて覚えていない。それは鍵谷に限らず、みんなそうやわ。同じ試合で投げたことは山ほどあるし、助け、助けられ、ということも山ほどある。だから、野球は1つに決められないかな。(昨オフに)『ジァイアンツでクビになりました』と連絡をもらっていたからね。思い入れのある後輩やし、最後に一緒にできてうれしかった。下(2軍)で結果も出していたし、最後まで腐らずにやっていたよ」
③かわいい後輩へメッセージを
「頑張れ。軽いか? 人生の一区切り。今まで野球ばかりやっていて。俺と違って、家族サービスはしているやろうけど、今まで以上に家族を優先しながら、野球界に違う形で貢献する仕事をして、幸せになってください。ありがとうございました。終わり(笑)」