《平川弘のCool Eye》精神的支柱の欠場は痛かったが嬉しい誤算もあった
敵地・町田戦は価値ある勝ち点1
町田と0-0のドロー。ビリ2という札幌の置かれた状況からすれば引き分けは負けに値する。しかし、相手が首位だったことと敵地での戦いだったことを考えると、勝ち点1は良しとしなければならない。おまけにMF大﨑、荒野を累積警告で欠き、DF髙尾もケガで欠場だった。
試合数×1ポイントなら逆転可能
残留圏17位の湘南が敗れたため、勝ち点差は6ポイントと一つ縮まった。残り7試合で勝ち点6差は射程圏内。試合数×1ポイントが逆転可能な勝ち点と言われている。そして湘南との直接対決がまだ残っているのも札幌にとっては一縷の望みである。
宮澤に課されたミッション
ボランチの大﨑が出場停止だったのでMF宮澤を代役に使ったペトロヴィッチ監督。アンカー気味にプレーし、ゲームメイクとルーズボールを拾うハードワークが宮澤に課された町田戦のミッションだった。町田はターゲットのFW呉世勳(オ・セフン)にロングボールを入れてくる。DF岡村が肉弾戦をして潰れて、そのこぼれ球を中盤で拾えるかが大きなポイントであった。
前半終了間際の負傷で、あの痛がりようは…
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
宮澤はバランスをとりながら忠実にミッションをこなしていたが、前半終了間際に負傷。あの痛がりようは、あばら骨が折れたのでは、と思った。後半もピッチに出てきたが結局、MF深井と交代してベンチに退いた。箇所的に骨に異常があると、プレーに大きく支障をきたす場所。宮澤の数試合の離脱は避けられないかも。
深井が菅野の穴を埋めてくれた
GK菅野の負傷も気になるところ。精神的支柱の欠場は痛かったが、深井がその穴を埋めてくれた。まだまだ万全ではないコンディションだったと思うが、約40分もプレーできたのは嬉しい誤算だっただろう。宮澤、深井らの中盤がそこそこプレーできたのは、やはり岡村がターゲットに体をぶつけて自由にさせなかったことと、中盤がプレスバックしてサンドし、スペースを与えなったことが大きい。
一番負けたくない相手だった?
現在2位のチームに失礼だが、町田はリアクションサッカーだけだと思っていた。しかし、後半からはFWエリキやMF相馬、FWミッチェル・デュークが出てくるくらいタレントがいるのに驚いた。悔しいが札幌より上だね。町田はペトロヴィッチ監督が一番負けたくない相手だったと思う。札幌と相反するサッカーをするチームだからである。負けはしなかったが、攻撃で札幌の特長を出せなかったのが悔しかったのでは。
次はまた岡村が忙しくなるだろう
次節はこの間まで残留のライバルだった京都が相手。残り7試合のペースを考えると、次は絶対に勝ち点3が必要なゲーム。今夏加入のFWエリアスが8戦9発と大当たり。羨ましい限りだが、FWバカヨコはいつ目覚めるのか? 岡村はまた忙しくなりそうだ。