山崎あおい 新アルバム「Update」「Unplugged days」を同時リリース 北海道で〝原点回帰〟へ
新アルバム『Update』を手にする山崎あおい=撮影・十島功
4都市回るワンマンツアーも完遂
新境地開拓―。札幌出身のシンガーソングライター・山崎あおいが8月28日に2枚同時リリースした新アルバム「Update」と「Unplugged days」のPRのため、道新スポーツ編集部を訪れた。その2枚のアルバムを引っ下げてのワンマンツアー「LIVE TOUR 2024 ~Update~」では4都市を回った。今までとは違う形の制作で新たな一面を見せるなど、アーティストとしての幅は確実に広がっている。
ワンマンツアーのポスター
新たな一歩を踏み出した「Update」
充実感が漂っていた。トラック先行の楽曲制作を行った「Update」。既存曲「ハルメイト」の再編集も含む全10曲は、確実に新たな一歩となった。「タイトル通り、アップデートされたアルバムになりました。制作の段階からいつもと違うことをやりたいなという出発点でした。海外でも多くミュージックビデオが再生されていたり、今まで届いていなかったような方にもちょっと届いたなっていう感覚があるので、すごく作って良かったなと思っています」。
タイでの共同制作
2022年にデビュー10周年、昨年は30歳を迎えた。そういった節目を迎えながら「2024年はどうしよう?」と考えていた中で、新たなことにチャレンジすることを決意。今年初めにはタイに出向き、複数のミュージシャンが共同で音楽を制作するコライトを行った。
日本人10人とタイ人10人での制作に大きな刺激を受けた。「海外ではこんなに盛り上がっているんだな」と実感。「いろんな人から話を聞いたり、見たりする機会が多かった。そこから自分も殻を破りたいなということで、このアルバムのイメージができあがりました」。
ワンマンツアー札幌公演の様子(本人提供)
セルフカバーした「Unplugged days」
「Update」と並行して制作したのが「Unplugged days」だ。12年から23年までにリリースされた楽曲の中から9曲を厳選したアコースティック・セルフカバーアルバム。「『Update』を作っていく段階で、(『Update』は)既存のファンの方を置き去りにしていくようなサウンドだなと思っていた。そこであまり躊躇したくないなというのもあって、今までの活動を否定しているわけでもないし、これからもやめていくわけではないんだよ、という意思表示もしたかった」と説明した。
同時制作で「作るたびにどんどんできることが増えて…」
この記事は有料会員限定です。 登録すると続きをお読みいただけます。
初めての2枚同時制作には当然、時間は掛かった。「自分でできることは自分でやろうと思っていたので、自分で歌録りをしたり、アレンジミックスまでやった曲もありまして、単純に制作時間がすごい掛かりました」。制作には半年ほどの時間を費やす苦労もあったが、確実に成長を感じることもできた。
「同時に2枚作れることも分かりましたし、自分でできる幅もすごい広がって、より自由に作りやすくなったかなと思います。作るたびにどんどんできることが増えて、という感じなので、また次の制作が楽しみになりました」と目を輝かせた。
新アルバム『Update』(左)と『Unplugged days』
ツアーの終着地は地元・札幌
この対となるような2枚を引っ下げて、東京、大阪、名古屋、札幌の4都市を回った。「2枚ともカラーの違うアルバムでしたし、いろいろセットリストを変えながら全部で3、40曲歌いました。いろんな曲を歌えて充実したライブになりました」と笑顔を見せた。
21日に行われた地元・札幌公演がツアーの終着地。「地元はちょっとカラーが違って、見守っている感が強いです。昔から応援してくださる人とか、しばらく会えていなかった友人の顔が客席に見えたりして、地元だなっていう感じはありました」と少し懐かしさを感じながら、歌を届けた。
ワンマンツアー札幌公演の様子(本人提供)
地元で活動の幅を広げるのが目標
ライブで「北海道にどんどん帰ってきたい」とMCしたように、地元・北海道で活動の幅を広げていくことも、一つの目標に掲げている。「Update」にも収録されている「White」もその一つだ。同じく北海道出身のsnowyと共同制作し、MVは下川町で撮影した。
「北海道で制作することもやっていきたいですし、北海道のイベントに出演するとか、北海道のCMソングを書くとか、タイトル未定さんみたいに北海道に根付いたアーティストさんと何か一緒にやっていく、みたいなことは増やしていきたいなと思っています」
新たな扉を開いた先に〝原点回帰〟を見据える山崎。「北海道で(楽曲を)書いたら、全く別の刺激があるんじゃないかな」。さらなる進化のヒントは、生まれ育った故郷に落ちているかもしれない。
ワンマンツアー札幌公演の様子(本人提供)
■プロフィール 山崎 あおい(やまざき・あおい) 札幌市出身のシンガーソングライター、作詞家、作曲家。高校在学中にYAMAHA主催のコンテスト「The 3rd Music Revolution」に出場し、グランプリと特別審査員賞をダブル受賞。大学進学を機に拠点を東京に移し、2012年8月にメジャーデビューを果たした。リアルな感覚にあふれたセンチメンタルな歌詞が幅広い層の男女に支持を受けている。ハロー!プロジェクトをはじめとする女性アイドルグループや、KinKi Kids、WEST、藤井隆などのさまざまなアーティストへの楽曲提供でも活躍。