【一問一答】今季限りで引退する鍵谷陽平 プロ12年間は「夢のような時間」
今季限りでの引退を表明している日本ハムの鍵谷陽平投手(34)が25日の楽天戦前に記者会見を行った。12年間のプロ生活を振り返りながら、一番の思い出やチームメートの反応などを語った一問一答は以下の通り。
「このたびはありがとうございます。引退することになりました。12年間、皆さまに本当に支えていただいて、いろんな言葉を伝えていただいて、ここまでやることができました。きょう一日、皆さんに感謝の気持ちを持って臨みたいと思います。よろしくお願いします」
―12年間、お疲れさまでした。きょうという日をどのような気持ちで迎えたか
「不安とドキドキが大きかったかなと思います」
―引退を決断したタイミング
「引退はもうずっと、こういう仕事なので、毎年毎年が勝負だと思って臨んでますし、そういうのは常に覚悟して臨んではいるんですけど、去年ジャイアンツで戦力外になってから、今年1年、ファイターズに契約していただいて、それは常に考えていましたし、もちろん1軍の戦力になりたいという思いで毎日、臨んではいたんですけど、その気持ちと一緒に、どう自分の最後を過ごすかっていうのを常に考えながらの1年だったので、いつっていうよりも毎日、考えていたっていう感じですね」
―12年間の現役生活はどんな期間だった
「もう本当、夢のような時間でした。僕みたいな野球選手が七飯町から出てきて、高校を札幌で過ごし、大学を東京で過ごして、まさかファイターズ、地元の球団に取っていただけるとは思っていなかったですし、これだけ試合に投げられるとも思っていなかったので、本当にたくさんの指導者の方に恵まれ、仲間に恵まれ、ここまで来られたなと思うので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」
―一番、思い出に残っていること
「一番と言われると、やっぱり(2016年の)日本一かなと思います。こういうスポーツをやっている中で常に勝ちを目指して、優勝を目指してやっている中で、初めて日本一になれたっていうのはうれしかったですし、何よりも楽しかったので、その1年。それはすごく印象に残っています」
―引退を家族に伝えた時の反応は
「家族はもう覚悟していたというか、僕がやっぱり常に言っているので。『こういう仕事だから、いつどうなるか分からない』っていうことは伝えていますし、先ほども言ったように去年、ジャイアンツで経験しているので。今年もちろん勝負、どうなるか分からないし、辞めるかもしれないし、続けるかもしれないし、それは分からないけど覚悟して、一日一日を過ごそうというふうにしゃべっていたので『お疲れさま』っていう感じですね」
―お子さんは
「娘はまだ小さいので、分かっているかどうか分からないですけど、やっと野球をやっているお父さんを認識した段階だったので。でも、それが分かるまで現役を続けられて良かったなっていう思いと、もう少し大きかったら、もう少し記憶に残っているのかなっていう思いもありますけど、皆さんにしっかりと映像を残していただいて、娘に見せたいなと思います」
―チームメートの反応
「全員に伝えられたわけじゃないので、事前に俺の口からは何人かにしか言えなかったんですけど『お疲れさま』が多かったですね」
―宮西の反応は
「ミヤさんも『そうか、お疲れさん。頑張ったな』って言っていただけましたし、『みんな、俺より先に辞めていくな』って言ってました」
―入団同期で現役なのは大谷のみ。報告はしたのか
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「いや、してないです。翔平は頑張っているので、余計な気を…。気を使わないかもしれないですけど、そんな余計な雑念は入れたくないので、全く何も言ってないです」
―向こうから連絡は
「知らないんじゃないですか?(笑)」
―同学年の中島や伏見の反応は
「やっぱり同級生なので、いろいろ思うことあると思いますけど『お疲れさま』っていうのが一番じゃないですかね。タクには直接、会って言えたので『そんな感じはしてたけど、お疲れさま』って言われましたし、寅威は『一回、バッテリー組みたかったな』っていう話はしてました」
―自身に言葉をかけるなら
「お疲れさま、楽しかった。っていうことですかね」
―やり切ったか、それともどこかに悔しさも
「もうやり切りました。お腹いっぱいです」
―ファイターズはどんな存在
「本当、ファイターズに取って、ドラフトしていただいて、プロ野球生活がスタートしましたし、僕のプロ野球選手としての人生をスタートさせてくれた球団ですので、本当に感謝してますし、きょうも僕ぐらいの選手に引退セレモニーを用意していただいて、本当に感謝してもしきれないですし、僕もジャイアンツに本当にお世話になったんですけど、僕をつくってくれた球団なので、心から感謝しています」
―今後について考えていること
「今後は考えます」
―きょうは先発マウンドに上がる。どんな投球を
「今、チームが本当に大事な状況で、毎日いい試合をしている中でのこういう機会を用意していただいて、申し訳ないなっていう思いも強いんですけど、用意していただいたからにはしっかりと全うしたいと思いますし、僕も引退は発表しましたけど、まだ今年は現役なので、しっかりとプライドを持ってマウンドに上って、いいピッチングをして次のピッチャーに渡したいなと思います」
―ファンの皆さんへ
「本当に温かく、いつも応援していただいて、たくさんの拍手をいただいて、本当に力になりましたし、つらい時もくじけそうな時も本当にファンの皆さんが応援してくださったおかげで、この12年間という長い間、プロ野球選手としてプレーできたと思うので、本当に感謝していますし、まだ恩返ししきれていない部分も多くあるんですけど、きょうはしっかりと感謝の気持ちを持って、ファンの皆さんの前でしっかりとしたプレーを、一日を過ごしたいなと思います」
―同期との思い出はあるか(入団同期で元日本ハムの新垣勇人さんが質問)
「同期は社会人卒(がいて)、大学卒が僕1人で、あと3人高卒がいて。入寮当初、住所変更とか、いろいろしなきゃいけなくて、鎌ケ谷市役所に行かなきゃいけなかったんですけど、ファイターズのスタッフが『新垣は間違いないから。新垣に付いて行けば大丈夫だから、新垣に任せろ』って言って、付いて行って。一番、信用できない人だった。一番ダメな人に付いて行ったなっていう、それが一番、最初の思い出です(笑)」
―先発を託された時の気持ちは
「もちろん正直な感想を言うと、とまどいの方が大きかったです。でも僕のプロ野球生活12年間、行けと言われたところで行くのが仕事でしたので、こういうふうに先発の機会をつくっていただいたことに感謝して、行けと言われたからにはしっかりとその仕事を全うしたいなっていう思いです」
―どんな投球を見せたい
「こればっかりは真剣勝負なので、僕の12年間で培ってきた気持ちと技術を全て使って抑えたいなと思います」
―両親には報告したか
「はい、両親には報告しました」
―電話かメールか
「娘に言ってもらいました」
―どういう経緯だったのか
「僕、ちょっと照れくさかったので、動画を撮ってもらって、娘に言ってもらって、その動画を送りました」
―何と返ってきた
「娘の名前を言って『ありがとう』って言ってました」
―きょうは来ているのか
「きょうは来てます」
―両親の前でも最後の投球となる
「本当にいつも何も言わず、僕が自由にって言ったらあれですけど、好きなことをやって、好きな決断をして、ここまで来たので。それに対して何も言わずにずっと前から温かく応援してくれたので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」