札幌大が34季ぶりのリーグV 急成長したエース長谷が5勝無敗でMVP【札幌6大学秋季リーグ戦】
■札幌6大学野球秋季リーグ戦 第2節最終日(9月25日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
▽札幌大7-4東海大札幌
神宮懸けて10月に道代表決定戦
6勝3敗で首位タイだった札幌大は7-4で東海大札幌に勝利。同率首位の北海学園大が星槎道都大に敗れたため、コロナ禍で中止となった2020年春を除き、34季ぶり42度目のリーグ優勝を果たした。MVPは、今季5勝を挙げた札幌大の長谷隼兵投手(4年)が受賞した。札幌大は38年ぶり9度目の明治神宮大会出場を懸け、10月8日から北海道6大学優勝の函館大と函館オーシャン球場で2戦先勝方式の代表決定戦に臨む。
07年優勝後は最下位も経験
古豪が復活の狼煙だ。2007年春の優勝後は10年春に最下位となるなど長く優勝争いから遠ざかっていた。この日は第2試合で、勝利してから約3時間半後、スタンドで同率首位だった北海学園大の戦況を見守っていた札幌大ナインにようやく歓喜の瞬間が訪れた。OBで就任2年目の上原哲朗監督(74)は「ちょっと長すぎますよね。なかなか、そういう機会ってないもんだから、たまたまなのかなって。僕もなかなか勝てるものではないよって、甘いものではないよっていう話をしてたんだけど、選手の伸び伸び野球と、また全員でやるっていうチームが固まったのかな」と笑みを浮かべた。
高校時代の準優勝の悔しさ今でも
躍進の中心は、秋季リーグ戦で5勝0敗の、背番号1のエース左腕・長谷隼兵投手(4年、旭川龍谷)の存在だ。高校時代は背番号10。コロナ禍で独自大会となった北大会では準優勝だった。札幌大では今春まで通算3勝にとどまっていたが、開幕戦の北海学園大戦で被安打3、12奪三振で公式戦初完封。「高校の時の準優勝の悔しさがあったからこそ、ここまでしっかり頑張れた。去年まではスライダーを主体に投げていたのが チェンジアップ、カーブっていう球種が自分の中にできたことで幅が広がった」と一気に頭角を現した。
前日の完投勝利から連投
この日の東海大札幌戦では、リードした八回から2回無失点で締めくくり、ガッツポーズ。前日の札幌大谷大戦で1失点完投勝利からの連投で、当初は1回限定の予定だったが「展開も展開だったので、もうここはもう自分しかない」と志願の続投。胴上げ投手となり、「いや、もう、なんか夢なのかなっていう感じの気持ちでした」と声を弾ませた。