【一問一答】鍵谷陽平 胸に秘めていた決意「絶対に泣かないで笑顔で笑って終わろうと思ってー」
■パ・リーグ22回戦 楽天3ー1日本ハム(9月25日、エスコンフィールド北海道)
今季限りでの引退を表明していた日本ハムの鍵谷陽平投手(34)が25日、エスコンフィールド北海道で行われた楽天戦に先発し、打者2人を完璧に抑えた。直球は147キロを計測。プロ生活12年の集大成をぶつけた魂の9球だった。引退セレモニー後の一問一答は以下の通り。
―最後の投球を振り返って
「いい球を投げられて、何よりも抑えて帰って来られたのが良かったなと思います。でも金村にはやりづらい形で次(のバトン)を渡してしまって、本当に申し訳ないなっていう思いがあるので、そこだけちょっと、すみませんという感じです」
―ビデオメッセージはどう感じたか
「僕も引退試合を(送る側で)いろいろ経験していますけど、なかなかないテイストの(セレモニーだった)。いろんな方に出ていただいてうれしかったです」
―同期入団の大谷からもメッセージが届いた
「びっくりしました。(引退すると)言っていなかったので。会見で『知らないんじゃないですか』って言って申し訳なかったです。すみません。失礼しました。本当に今、翔平も優勝争いをしていて、すごい大変な中で、自分の記録もあってバタバタだったと思うんですけど、遠いアメリカから、ああやってメッセージを送っていただけるのは本当にうれしいです。同期入団でずっと見てきた仲間。これからは僕がイチ野球ファンとして、翔平のファンとして、これからもずっと応援していくので、それだけ伝えたいなと思います」
―打者2人との対戦は決まっていたのか
「いえ、最初は1人の予定でした。1人というふうに言われていて、そのつもりで小郷くんだけ対策していたんですけど。もう1人って言われて。ちょっと動揺したんですけど、小郷くんも小深田くんもやりづらい雰囲気の中でああやって真っ正面から対戦を受けてくださって、本当に感謝してます。楽天の球団の皆さんも試合中にかかわらず、時間を取らせてしまって申し訳ない気持ちもあるんですけど、本当に感謝しています」
―新庄監督自らマウンドに来て花束を渡した
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
「本当にうれしかったですね。1年しかできませんでしたし、1軍に来られなかったので、なかなかお会いすることはできなかったんですけど、それでもこうやって僕のことを思って、ああいう形で送り出していただいて、本当に感謝しかないです」
―セレモニー後も新庄監督と話をする場面も。どんな言葉を
「今後を見据えて、しっかり準備するように言われました」
―上沢が来るのは知っていたか
「(日本に)帰って来ているのは分かっていましたし、『いついつ会おうね』っていう話はしてたので、来るかなとは思っていたんですけど、まさか花束を持って来てくれるとは思わなかったです」
―ファンへのあいさつも堂々としていた。グッとくる場面はあったか
「この引退試合を迎えるに当たって、新庄監督に『楽しく、かっこいい姿を最後、見せてくれ』と言われたので、絶対に泣かないで笑顔で笑って終わろうと思って、ずっとこらえていたんですけど、危なかったです。たぶん耐えたと思います」
―沢村の涙もあった
「危なかったですね。沢村さんはどの人よりも長くお世話になりましたし、大学時代からなので。自主トレも一緒にやっていますし、プロに行くぞ、というきっかけをくれた人なので。本当に沢村さんの愛が伝わってくるメッセージでした。いつもご飯おごってもらっているので、今度おごります(笑)」
―紫に染まったエスコンを見て
「夜遅いのに最後まで残っていただいて、僕みたいな選手にたくさんの拍手をいただいたので、本当に感謝していますし、最後、北海道で引退を迎えられて本当に良かったなと思える時間を過ごさせていただきました」
―北海道への愛は
「もちろん。北海道に生まれて、育って、途中、修行に出ましたけど、こうして最後また、プレーヤーとして戻って来られてうれしかったです。北海道に生まれて、北海道で野球をやっていなかったら、ここまでできていなかったと思うので、北海道の皆さんに感謝して、これからどういう形になるか分からないですけど、何かの形で恩返しはしたいなと思います」