《荒木大輔のズバリ解投》大卒には負けられない 刺激になったトレンディーエースや新人王左腕の存在
鎌ケ谷でしのぎを削る若手 中でも楽しみな逸材は進藤
ファームの公式戦が一足早く終了した。今季も鎌ケ谷に何度となく足を運んだ。若手は確実にレベルアップしている。中でもドラフト2位ルーキーの進藤は楽しみな存在だ。肩の強さという大きな武器がすでに備わっている。
求められる勝負強いバッティング
あとは何が必要か。1軍に呼ばれるにはプラスアルファが求められる。その一つに勝負強さがある。今の時代、キャッチャーも打てなければ、使われない。決して打率が高いわけではないが、ベテランの伏見はチャンスとなれば、しぶといバッティングを見せる。ゲームでいかに結果を出すか。そこに尽きるだろう。
得難い経験を積んだ田宮
伏見の存在はまだまだ大きい。あの安定感はチームに不可欠だ。だが、来季は田宮と進藤がメインとなって引っ張っていかなくてはいけない。田宮は今季、1軍で十分な戦力となった。後半は打撃でも苦しんだ。この経験は必ず生きる。
物足りなかった選手も…
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一方で、物足りない選手もいる。投手でいえば、達。野手ならば、有薗や阪口。高卒3年目の面々だ。ファームで試合を重ね、成長はしている。だが、1軍に呼ばれないということは何かが足りないということだ。球団の育成方針もあるだろう。ただ、高卒3年目。現在の主力に当てはめてみれば、清宮(96試合)や万波(49試合)、野村(99試合)は3年目である程度、1軍の試合に出ていた。
フェニックスリーグできっかけをつかんだ清宮、万波、野村
7日からはこの時期恒例のフェニックスリーグが始まる。私が日本ハムで2軍監督を務めていた2020年。この年のフェニックスリーグで、3人はとにかく打った。そのかいもあってチームは毎試合のように2桁得点を挙げていた。達や有薗、阪口も何か、きっかけをつかんでもらいたい。
パ・リーグの新人王を争った西崎と阿波野
大学に進んでいれば、来年は4年。大卒組は即戦力にもなり得る。私も高卒でプロ入りした。大卒で入ってくる同学年の選手には負けたくなかった。リーグも違い、他チームでもあったが、後に日本ハムでトレンディーエースと呼ばれた西崎や、近鉄に入団し、新人王に輝いた阿波野は同い年。彼らの存在は刺激になった。
すべては実力次第 意地を見せてほしい野村
今季、何度も2軍落ちした野村にも触れたい。結果を欲しがりすぎて焦りが出ているのだろう。昨季までは優先的にチャンスを与えられていた部分もあった。今季もそうだが、もうそんなことは言っていられない。すべては実力次第。それがプロの世界だ。持っているものは素晴らしい。ぜひ、意地を見せてほしい。