ドラ1達 ビッグボス絶賛 ボディーもトークもダル以上
北広島で新入団会見
大器の予感だ。日本ハムは5日、北広島市役所で新入団会見を行い、ドラフト1位の達孝太投手(17、天理高)が強く存在感を示した。投手としての高い能力に加え、度胸満点の振る舞いでビッグボス・新庄剛志監督(49)に対抗するなど、スターの片りんをうかがわせた。この日は、公式戦出場で未契約の上川畑大悟内野手(24、NTT東日本)を除く新人選手12人が出席した。
背番号は有原ら背負った「16」に
ビッグボスをうならせた。入団会見に臨んだドラフト1位の達が無限の可能性を示した。2023年春に開業する新球場「エスコンフィールド北海道」の建設現場にも足を運び、胸を躍らせた。未来のエース候補は「日本に限らず、世界中のファンを楽しませるような投球ができたら」と決意を表した。
潜在能力は折り紙付きだ。1メートル94の長身で手足が長く、しなやかなフォームで投げ込む。投球の動作、理論を突き詰めて学ぶなど、探究心旺盛だ。端正な顔立ちも相まって、ダルビッシュ有を彷彿(ほうふつ)とさせる。入団当初のダルビッシュをよく知る新庄監督は、タイプが似ていると認めた上で「有より体もできてるし、トークもしっかりしているから」と絶賛した。
将来性豊かな右腕は意外な一面も見せた。会見の締めくくりで、監督の印象を聞かれ「かっこよすぎて圧倒されました」と答えた。ここで、同席していた新庄監督が苦笑いでマイクを持ち「ちょっと待て。きのう(4日)メシを食ったとき、『僕の方がかっこいい』って言ってましたよ。違うじゃないか」と鋭いツッこみを入れた。
会見前夜、新入団選手と指揮官が、顔合わせを兼ねて食事を共にしていた。自己紹介するとき、達が勇気を出して、あいさつ代わりのジャブを繰り出していた。「冗談半分に、ビッグボスよりも自分の方が男前という話をさせてもらって」
テレビを見ているとき、新庄監督が第一印象を大切にしていると知り、ひそかに計画を練った。「印象に残るように考えた」というネタは当たり。大笑いを勝ち取った。つかみはオーケーだ。野球のポテンシャルだけではなく、人気者になるための素質を知らしめた。
背番号は20年まで有原(レンジャーズ)が付けていた「16」に決まった。「すごくいい背番号で、もったいないぐらい。次は達が16番と言われるように、頑張っていきたい」。日本ハムが新時代を託す有望右腕は、華々しくプロの一歩を踏み出した。
新庄監督「アピールが甘い。1年間2軍」
新入団選手発表会見に出席した新庄監督は、新人のコメントを聞きながら「アピールが甘いです。もうこれは1年間2軍ですね」とバッサリ。「早く上がれたらいいなじゃなくて、『必ず俺が開幕戦のグラウンドに立つ』という強い気持ちを持っていないといけない」と続けた。
与えた言葉は自らの名前をかけた「たのしんじょう」だ。1軍で輝くためには、己に打ち勝ち、苦しいことでも続けられる力が必要となる。「楽しむこと。苦労を苦労と思わず楽しんでほしいですね。あとは、コーチの言うことを聞かないでほしい。1年目は。彼らの実力でプロ野球という世界に入ってきているので、まずは自分のパフォーマンスを思いきり出してほしい」とエールを送った。