松本剛 新庄政権を引っ張ってきたチームリーダー 苦しい思いも飲み込みながら6年ぶりのCSに導いた
■パ・リーグ23回戦 楽天1-2日本ハム(9月26日、エスコンフィールド北海道)
ついに決めたポストシーズン! 万感の選手会長
6年ぶりの大舞台へ―。日本ハムの松本剛外野手(31)が「9番・中堅」で先発出場。136試合目で2018年以来となるCS(クライマックスシリーズ)を決めると笑顔がはじけた。
新庄剛志監督(52)就任後、中心選手としてチームを引っ張ってきた背番号7。主力として初めて迎えるポストシーズンに「チームを引っ張っていけるように」と闘志を燃やした。
念願のAクラス入りに笑顔
待ちに待った瞬間だった。6年ぶりのAクラス入りを確定させ、新庄政権初となる短期決戦へと駒を進めた。この3年間、リーダーシップを発揮してきた松本剛は「今年はCSに行くってみんな言っていたので、リーグ優勝できなかったんですけど、良かった」と素直に喜んだ。
悔しさとともに味わった短期決戦の空気
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18年もベンチ入りはしていたが、途中出場の1試合のみで打席に立つこともなかった。しかし、「負けたら終わりぐらいの感じになってくる」と試合前練習からひりついた空気感は鮮明に覚えている。
「短期決戦って1プレーで流れを変えて、それが翌日の試合にも響くレベルの試合。たぶんみんな分かると思う。今までのシーズンの1試合とは違う戦いにはなると思うんですけど、逆にあんまり知らないからこそ、怖さもないと思いますし、シーズン同様、思い切って楽しくプレーすることが勝ちにつながるのかなと思います」
仲間は見ている 浅間「態度には絶対、出さない人」
22年に首位打者を獲得したバットマンも、今季はここまで打率.233と苦しんでいるが、下を向くことなく、先頭に立って大航海を進めてきた。
日頃から多くのコミュニケーションを取っている浅間は、強い松本剛を目の当たりにしている。「剛さんの実力は出てないと思うんですけど、若い選手が多い中で自分が引っ張っていかないとっていうのがすごく伝わってくる。結果の出てないもどかしさもすごく伝わるんですけど、態度には絶対、出さない人」とチームの先頭に立つ者として、ネガティブな姿を一切、見せることはなかった。
チームリーダーのサポートを決意
その上で浅間は「相当しんどいんだろうなと。そのへんは僕がもっとサポートしたいなと思うんですけど…。すごい葛藤があるんだと思う」と思いやった。
「しょうもない話をしている時ぐらいは笑ってもらえるようにやりたいです」と背負っているものを少しでも軽くし、選手会長が躍動できる下地を整えるつもりだ。
次に狙うは2位通過 エスコン開催へ
次なる目標は、この本拠地・エスコンフィールド北海道でのCS開催だ。最大3試合の超短期決戦の中でファンの後押しは何よりも力になる。
松本剛は「それを決めて、ここエスコンで最高の盛り上がりの中、ゲームができると思う。とにかく楽しんでやりたい」。悲願の日本一へ導くのは、新庄政権の中心にいた男だ。