【鍵谷陽平 引退企画】同郷の後輩が語る〝鍵さん〟 玉井との爆笑やり取りもほぼノーカットで掲載
「ネクストサークル」発足メンバー
今季限りで現役を引退する七飯町出身の日本ハム・鍵谷陽平投手(34)は、道産子選手のまとめ役だった。2019年には右腕が中心となって、北海道出身による野球振興活動「ネクストサークル」が始動。発足時のメンバーは鍵谷、帯広市出身の杉浦稔大投手(32)、佐呂間町出身の玉井大翔投手(32)の3選手だった。
道産子男子といえば、おおらかでちょっぴりシャイ。そんなイメージがあるが、鍵谷はリーダーシップを兼ね備えていた。「いい人っす。とりあえずいい人です。一緒にプレーした期間は短いですけど、一緒にネクストサークルやったりとか、ジャイアンツ時代もちょくちょく会っていました」。杉浦は先輩右腕の人柄をこう評する。
杉浦「頼れる先輩です」道産子会も開催
18年シーズン途中にヤクルトからトレードで加入。チームになじめたのも、鍵谷のおかげだった。「僕が移籍してきて、最初に道産子会をやりました。鎌ケ谷で。僕の家族と、その時現役だった(球団スタッフ)北山(旧姓・大累)さん、鍵さんと玉井。大体、鍵さんが声かけて、そういうのをやってくれるので、後輩からしたら頼れる先輩です」。
練習用具の寄贈から野球教室に発展
野球練習用具の寄贈などからスタートした「ネクストサークル」だったが、開始直後に鍵谷が巨人へトレード移籍。その後、チーム内に伊藤、今川、伏見ら道産子選手が一気に増えた。「最初、鍵さんと僕と玉井、3人で小さいことから始めたんですけど、道産子が増えたタイミングで鍵さんは巨人に行っていたので、その時は僕が野球教室できたらいいんじゃないと言いました」。杉浦の発案で、21年からオフに野球教室を行うようになった。
「玉井がやらないので(笑)」「今年は鍵さん参加して~」
先輩の意思を引き継ぎ、まとめ役となった杉浦は「玉井がやらないので(笑)。アイツは誰かがやると言ったら、ひっついていくばかりなので」とチクリ。名指しで指摘された玉井は「鍵さんを中心に立ち上げた瞬間にどっか行って(笑)。去年、僕は(野球教室で)佐呂間組率いましたからね。今年は鍵さん参加してほしいな~」と熱望した。
「道民だからかわいがってもらえたのかな」
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玉井にとっても、同郷の右腕は特別な存在だった。「本当に気さくに話し掛けてくれますし、いろんな後輩を気に掛けている姿を見ます。本当に頼りがいがある先輩です。(入団時は)鍵さんのおかげで、(チームに)入っていけたところもある。あのとき、道民少なかったですけど、道民ということでかわいがってもらえたのかなって」。
今季2軍で「一緒に引退だな」自虐も
育成契約で5年ぶりに古巣へ戻ってきた先輩とは、今季2軍で一緒に過ごすことが多かった。自身は腰痛のリハビリが長引き、「一緒に引退だなって話はしていました」。自虐ネタを交えつつ、「鍵さんみたいな人が近くにいたのは心の中では大きかったです。年上の人はいま少ないので、モヤモヤしていることは聞いてもらっていました」と感謝する。
一番の思い出を「何だろう~」と熟考していると、鍵谷本人がニコニコしながら登場。玉井が「面白い話題あります?」と投げかけ、漫才さながらの掛け合いが始まった。
〝反宮西同盟〟って何? 解散?
鍵谷(以下鍵)「仲良いけど、これといった思い出ないな」
玉井(以下玉)「これといったのが出てこない…。言い合いにもならないし。許容してくれるので」
鍵「平和だもんね。でも、いつも〝反宮西同盟〟を組むんですけど、いつも裏切られる。いつも罪を僕になすりつけてくる」
玉「いや、これだけは世間に言いたいですけど…。鍵さんってみんなが思っているイメージもあるけど、そうじゃない」
鍵「二重人格ってこと?」
玉「はい。いい人に見えるようにしてますもん。立ち回りが。うまいっす」
鍵「玉井はいつもご飯おごってくれると言うんですよ。いつもは僕がおごっているんですけど、じゃんけんで決めようぜとなって。(中島)卓と3人でじゃんけんして玉井が負けたので、今回の支払いは玉井なって。結局は僕と卓が払う」
表が宮西さんなら裏の支配者は鍵谷さん
玉「もう話が…。結局僕が悪者。僕がいつのまにか下げられているんですよ。うわ、負けた。僕が払いますと快く言っているのに、いざ払おうとしたら全然払わせてくれない。で、次になったらおまえ全然払わないな、金払い悪いなってめっちゃ言ってくるし。次払えよって言われて、毎回払えないので僕はモヤモヤしている。だから、表の支配者が宮西さんなら、裏は鍵谷さんです。そういう意味では本当の支配者かもしれない。(反宮西同盟は)解散っていう形になってしまうかな…」
これだけ言い合えるのは、仲が良い証拠。鍵谷本人を前に、玉井が感謝の思いを伝えた。
玉「鍵谷さん、12年間おつかれさまでした。僕が入ってから同じ北海道民ということもあってなのか、とてもかわいがっていただいて本当にお世話になりました。そのおかげで僕はチームになじむことができたと思います。まだまだこれからも、野球選手としての付き合いは終わりかもしれないですけど、人生の先輩として、ご指導いただければと思います。本当にお疲れさまでした」
絶対、連絡してこない代表なんだよね
鍵「コイツ、こういう事言うけどさ。(現役)終わったら絶対、連絡してこない代表なんだよね(笑)」
図星をつかれた? 連絡無精で知られる玉井は、的確なツッコミに笑うしかなかった。