新体制の東海大札幌高が太田ツインズの活躍で大勝発進【秋季札幌支部】
■秋季全道高校野球札幌支部予選(9月27日、札幌麻生ほか)
▽Fブロック1回戦 札幌北0-10東海大札幌高 ※五回コールドゲーム
東海大札幌高が、太田ツインズの活躍で五回コールド勝ち。2021年に東海大相模のコーチとしてセンバツ甲子園優勝の経験がある、遠藤愛義新監督(40)の初陣を大勝で飾った。
初の同時スタメン バットで競演
切磋琢磨する仲良し兄弟が、初の同時スタメンを果たした試合でバットで競演した。まずは一回1死一、三塁から4番の弟・太田勝馬(しょうま)一塁手(2年)が三塁線を破る先制の2点二塁打。「チャンスで回ってきたので、4番の自分が打って返すという強い気持ちで打席に入りました」と、甘く入ってきた初球をフルスイングした。
弟の先制2点二塁打に続き兄が2点三塁打
弟には負けられない。続く3点リードの一回1死二、三塁で、今度は7番の兄・勝心(まさむね)中堅手(2年)が左中間を深々と破る2点三塁打。「自分もこの流れに乗って、返そうという気持ちで入りました」。2人の関係を「持ちつ持たれつです」と声を弾ませた。
中学硬式の札幌東リトルシニアでは兄・勝心が3番、弟・勝馬が4番だった。東海大札幌高入学時は、間違われることが多かったという。「見分けるポイントはほくろです」と勝心。登下校でも部活動でも常に一緒。帰宅後の自主トレでも、一緒に素振りをしたり、ティーバッティングでボールを上げ合ったりしている。「小競り合い程度はあるけど、最近は仲が良い。一緒にお風呂にも入ったりします」と兄弟愛をアピールした。
左打ちと右打ち ベンチ入りはどちらが先?
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性格もほとんど同じだと言うが、兄・勝心は左打ち、弟・勝馬は右打ち。体格は勝心が170センチ、79キロ、勝馬が172センチ、87キロと弟の方が少し勝っている。まず1年秋に勝心が先にベンチ入りすると、勝馬は「ずっと悔しくて。やっぱり双子なので比べられるんで、絶対自分が入ってやるっていう気持ちで、やってました」。今春ベンチを外れた兄と入れ替わるように全道からベンチ入りした。
2人合わせて4打点「活躍できてよかった」
勝心は五回にも二塁打を放つなど2安打をマーク。2人合わせて4打点の活躍。「初めて一緒に出たんで、2人とも活躍できてよかった。やっていくことは変わらないので、とにかく攻め続けて1戦必勝でやっていきたい」。一番身近にいるライバルと高めあいながら、勝利を目指していく。
遠藤新監督 初陣大勝に笑顔
遠藤新監督は初陣勝利に自然と笑みがこぼれた。9月上旬の関東遠征では、母校の東海大相模や今夏の甲子園に出場した花咲徳栄と対戦して勝利。好調を維持したまま初戦を迎えた。「部長の時と変わらずですね。子供たちにも練習試合と同じように、とやったので、初回から点が取れたことは、やりたい野球ができたということ。非常に良かった」と冷静に振り返った。
大脇前監督から「見守ってるから」
初陣前夜、前任地の東海大相模でコーチとして7年間世話になった名将・門馬敬治監督(54)に「明日から大会が始まります」と報告すると「思いっきりやれ」と激励を受けた。大脇前監督からは試合前に「『見守ってるから』と言って背中をたたいてもらいました。スタンドに居たと思う」。関係者の激励に勝利で応えて見せた。
「原貢先生の野球が東海の野球」
東海イズムは体の芯まで染みこんでいる。今年で高校、大学時代を含め、タテジマのユニホームに袖を通し続けて24年目。「門馬先生からいろんなことを聞いてやってきて、やっぱり原貢先生の野球が東海の野球だと僕らは思ってます。それが選手にも言ってる『攻める気持ち』だと僕はすごく感じとっている。ただ打て打てとか、イケイケじゃなくて、気持ちが攻めていくんだっていうとこで僕は解釈して、それをずっとやり続けられたら」。系列校で日本最北の札幌から、新たな東海伝説を築いていく。