《京都戦後》今日の勝利はサポーターの後押しなしに得られなかった
■J1第32節 札幌2―0京都(9月28日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
―試合を振り返って
非常に厳しいゲームだったが、今日はサポーターがいかに我々にとって大切であるかということを、改めて確認できたゲームだったと思う。試合開始からアディショナルタイムが終わるまで、サポーターの皆さんが選手たちを非常に後押ししてくれたと思うし、応援があって、支えがあって、選手たちが最後まで頑張れたと思う。やはり今日の勝利は、サポーターの後押しなしに得られるものではなかった。
まず我々に最初のチャンスが来て、それは(オフサイドで)決まらなかったが、逆にその後すぐ京都の方にチャンスが来て、ポストに当たって我々が救われたという、そんな立ち上がりだった。もう一回、確か(大﨑)玲央がゴールに入っていきそうなボールをクリアしたと思うが、そうしたチャンスが立ち上がりにあった中で、それをお互い決めきれない中でゲームが進んでいった。
京都と戦うのは難しかった。京都が町田をコピーしたのか、町田が京都をコピーしたのか分からないが、非常に似たような戦い方をしてきたと思う。ロングボールをターゲットに入れて、そこからセカンドボールで速い攻撃、あるいはボールを奪ってのカウンターと、前の選手の個の能力を生かすような戦い方をしていた。
試合自体は膠着した状態で前半が進んだ。徐々に我々も攻撃できる場面もできていたし、逆に引っかかって相手のカウンターを受けるようなシーンもあった。そういう中で、先にCKから先制できたのは、我々にとっていい展開での前半の折り返しになった。
その後、我々が2点目を取った。さらに追加点が取れていれば、もう少し余裕を持って勝利できたと思う。少しずつ相手が落ちてきた試合の中で、我々が主導権を握って戦える展開をつくれたのは良かったし、今日は我々が勝利に値するゲームができたと思っている。
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―試合終了時点での暫定ではあるが、残留圏内まで勝ち点差3まで迫った
残留圏のチームまで3ポイントという状況まで来たが、今日まだゲームがあるチームもあるし、決して我々が楽観視できるような状態ではないだろう。
毎試合毎試合、勝たなければいけないし、ポイントを積み重ねなければいけない。残り6試合は、我々にとって毎試合勝たなければいけないという、非常に厳しい状況であるのは変わりない。
―ここ5試合で3勝1分1敗。うち4試合は無失点だが、失点が減っている要因は
はっきりした理由を見つけるのは難しいのがサッカーだと思う。今日も、もしかしたら2失点していたかもしれない、ポストに当たったシュートが2本あったし、あるいはDFがゴールに向かっていくボールを最後にクリアしたシーンもあった。やはりサッカーというのは、セオリーだけでは語れない部分があると思うし、計算外のこと、事故が起こることが多いスポーツだと思う。
(9月4日のルヴァン杯アウェー)横浜M戦も、我々にたくさんのチャンスがあって決めきれない中で、逆に横浜Mは少ないチャンスをものにして、我々が1人少ない状況ではあったが、6点取って勝利した。たくさんチャンス、決定機があるけれども、それを決めきれないときもある。逆にチャンスはほとんどないけれど、たまたま撃ったシュートが転がって入ってしまうこともあるという意味では、理由を探すことはできるが、はっきりとこれだというものを見つけるのは、難しいかもしれない。
昨日の川崎対新潟のゲーム(※5-1で川崎勝利)も、終わってみれば川崎が勝ち、新潟にとっては完敗だったかもしれないが、川崎が1-0でリードする中で、新潟にも決定機があった。ただそれを決められず、次のチャンスで川崎がまたゴールを決めた。新潟が決定機を決められず、相手が得点を重ねて、新潟は1点しか取れずに敗れた。
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サッカーはゲーム展開がある中で、チャンスをものにしたチームが勝つと思う。明らかに相手が上回って勝利するゲームもあるが、互いにチャンスがあって、勝敗が決まっていくことも、もちろんある。それは決定力とか、最後のところで守れるか守れないかということであって、試合を見た後に理由付けしていくことはできると思う。
こちらも相手の良さを消してチャンスを決めさせない、あるいは逆に自分たちが相手を崩して得点を取るために準備していくのだが、それが実際に試合になったときに、どういうふうにそれが起こっていくのかは、はっきりした理由を見つけることが難しいときもある。
もちろん失点しないことが、勝利に一番近づくことでもある。得点を取らなければいけないが、失点しない方が勝利に近くなるだろう。昨日「勝利のポイントは?」と聞かれて、(失点を)0に抑えて1点を取る、それが勝利のポイントだと話したが、そのような形になってよかった。
まだまだ厳しい戦いは続くが、本当に我々は自分たちが残れることを信じて戦っているだけだ。今後の問題としては、まだケガ人が多いということ。(宮澤)裕樹、チェック(スパチョーク)、浅野、髙尾もそうだが、彼らが戻ってきて終盤を戦えれば、というのはもちろんある。その頃に誰かがまたケガしているかもしれないが、とにかくチームとして、これだけ応援してくれるサポーターのためにも、我々は残らなければいけないと全員が思っている。不可能だと思われた残留を実現するために、とにかく戦っていこうと思っている。