夏季スポーツ
2024/09/28 20:45

遠軽と芦別・羽幌・富良野合同は同点で両チームV 35年ぶりの抽選で遠軽が2年連続花園切符【全国高校ラグビー北北海道大会】

遠軽は2年連続12度目の優勝を果たした=撮影・西川薫

■全国高校ラグビーフットボール大会北海道予選(9月28日、札幌月寒屋外競技場)
▽北大会決勝 遠軽17-17芦別・羽幌・富良野合同 ※規程により両校優勝

 遠軽と、北海道から初の合同チームの花園出場を狙う芦別・羽幌・富良野3校による旭川・空知合同は、17-17で両チーム優勝。互いに3トライ、1コンバージョンと同じ内容だったため、抽選の結果、遠軽が2年連続12度目の花園切符を手に入れた。北大会で花園出場が抽選で決まるのは1989年以来、35年ぶり。

抽選で後から選んだ封筒に「出場権あり」

 遠軽・石崎比呂主将(3年)が最後に大仕事をやってのけた。抽選で後から選択した封筒を開くと、中には「全国大会出場権あり」。控室から表彰式のために、再びピッチに出てきた石崎主将の目には涙。「ほんとにまだラグビーできるのかなって、ほんとに信じられなくて。で、どんどん実感湧いてきて涙があふれた」。バックスタンドに駆けつけた野球部の3年生ら、有志約140人からの拍手にようやく笑顔が浮かんだ。

一緒に優勝旗を受け取る遠軽(左)と芦別・羽幌・富良野連合の両チーム

 

複雑な思い「合同さんの分まで」

 ただ手放しでは喜べない。監督、選手も笑顔全開とはいかなかった。石崎主将の父・石崎真悟監督(46)は「合同さん、素晴らしいチームであんまり勝ったという気持ちがないんですよ。でも花園があるので、それを考えると不安はありますが、このゲームをしっかり振り返りたい」。石崎主将は「両校優勝は、引き分けでちょっと悔しい思いもあるんですけど、抽選で花園を決めたので、合同さんの分までやらないといけない」と、神妙な表情を浮かべた。

下級生多い上に主力の主将が腰椎分離症に

 今年は3年生が6人と少なく、15人中9人が下級生。さらに大黒柱の石崎主将が8月上旬に腰椎分離症を発症。1回戦と準決勝はベンチで戦況を見守ったが、担当医からゴーサインが出て、前日27日に痛み止めの注射を打って強行出場した。

リード許して折り返し「想定内」

 前半13分に先制トライを決めたが、20分、28分とトライを許し、5-12で前半を折りかえした。ハーフタイムには石崎監督が「向こうが風上だったので、(前半としては)想定内」。後半、立て続けにペナルティーキックから、得意のモールで逆転に成功したが、最後に追い付かれた。「1、2年生が多いチームなので、経験値の面で、すごく大きな試合だった」。1試合でも多く実戦を経験できたことをプラスに捉える。

後半1分、遠軽のプロップ・上村がトライを決め2点差に追い上げる

 

石崎主将「目標は花園1勝」

 昨年は初戦敗退。昨年も花園のピッチに立った石崎主将は「行きたくても行けない人たちが多いところ。ほんとに素晴らしい場所です。目標は花園1勝」とキッパリ。9年ぶりの初戦突破目指して、チームの底上げに取り組む。


■旭川・空知合同チームの中川稜流主将(羽幌3年)
「抽選の結果で負けてしまい、少しもどかしさはあるんですけど、自分たちのプレーに悔いはなかった。1、2年生に取り返してほしいと思います」

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