水谷瞬 古巣から初アーチ! 〝エスコン初仕事〟から9カ月半、本拠地でのCS開催決めた
■パ・リーグ24回戦 ソフトバンク6-7日本ハム(9月28日、エスコンフィールド北海道)
「2番・左翼」でスタメン出場 七回に価値ある一発
ようやく鷹を撃ち落とした。日本ハムの水谷瞬外野手(23)が「2番・左翼」で先発出場し、七回に左翼へ今季9号ソロを放り込んだ。試合前まで対戦打率.167と苦しんでいた古巣から初アーチを記録した。
29日がソフトバンクとのレギュラーシーズン最終戦。日本一に向けて立ちはだかる相手に対し、イメージをポジティブに変えていく。
「ホークス戦で打ったっていうのは、気持ちがいい」
待望の一発に笑顔がはじけた。元日本ハム戦士の長谷川と初めて対峙(たいじ)。高い放物線を描いた白球が左中間席に吸い込まれると、水谷はF党が詰めかける右翼スタンドを指差した。
現役ドラフト対決を制し、移籍後初となるソフトバンク戦での本塁打。「シンプルにホークス戦で打ったっていうのは、やっぱり気持ちがいい」と素直に喜んだ。
昨年12月15日に入団会見 翌日にはエスコンで…
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現役ドラフトで日本ハムに加入した水谷は、昨年12月15日にエスコンで入団会見を行った。心機一転となったその翌日、新たな本拠地での〝初仕事〟が待っていた。プロ野球選手が高校球児をグラウンドで指導するシンポジウム「夢の向こうに」が開催され、水谷もその一員として、全道から集まった高校球児にアドバイスを送った。
指導では対話を重視 球児の活躍には「良かったです」
持ち前の打撃指導では、打球角度をつけることや、回転をかけるといったハイレベルな助言も授けた。水谷は「『この部分が良くない』とか教えるのは得意じゃない」とキッパリ。自分から何かを与えるのではなく「(球児から)聞かれたことに答えたかったから、こっちから『どう?』って聞くようにしました」と対話することを重視した。そのやりとりの中で気付いたことを伝えるよう心がけた。
今夏、その〝教え子〟たちの活躍を知ると「(結果に)つながって良かったです」と笑顔を見せた。
リーグ2位確定 ファンの喜びも実感
次は指導した自分がいいところを見せる番だ。2位を確定させ、CS(クライマックスシリーズ)ファーストステージの本拠地開催が決まった。日本一への道のりを進んでいくために、地元ファンからの後押しは大きなものとなる。現に街中でもCS進出を祝福するような声をかけられたという。
「やっぱりこうやって北海道でできるってことで、その北海道をまた一つ盛り上げる。北海道の皆さんもCSを決めて、めちゃくちゃ喜んでくれている。北海道で、またその皆さんの前でプレーできるっていうのは良かったなと思いますし、なおかつそこで勝って、福岡でも勝って、もう一回(日本シリーズで)戻ってこられるように、大きい後押しを受けながら、ファーストステージを戦えるんじゃないかなと思っています」
一気に主力へと駆け上がった若きスラッガー
〝初仕事〟から9カ月半。ポストシーズンを勝ち抜くために、欠かせない選手まで成り上がった。あとは、北海道からつくるビッグウエーブに乗るだけだ。