■パ・リーグ２５回戦　ソフトバンク６ー２日本ハム（９月２９日、エスコンフィールド北海道）

これこそがホークス　いま一度、気を引き締めるべき

　ソフトバンク戦の連勝が「７」で止まり、レギュラーシーズンでの対戦を終えた。あとはＣＳ（クライマックスシリーズ）ファーストステージを勝ち上がれば、日本シリーズを懸けた対戦となる。

　勝って勢いを付けたいところではあったが、私は負けて良かったとも感じる。先制点から、すかさずの追加点。九回には打線がつながってのダメ押し。これこそがホークス。強いチームなんやで！と。それにまずはファーストステージを勝たないことには再戦もない。いま一度、気を引き締めることができたはずだ。

またも現れた新戦力　要警戒のダウンズ

　要警戒の新戦力も登場した。先頭打者弾を含む３安打２打点の活躍を見せたダウンズだ。前日も２安打を放っていた。目を見張ったそのバッティング。ミスショットをしない。高確率でバットの芯に乗せる。対戦相手としては嫌な存在だ。

　実は今月、彼が１軍に上がる前、タマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグの阪神戦で、プレーを間近に見ていた。打撃も守備も明らかに周囲とレベルが違った。今回のエスコンシリーズで背番号と顔を見て、「あぁ！あの時の！」と気付いた。

忘れられない「平成の怪物」のプロ初登板

　初見でインパクトを残せるのは一流プレーヤーの証しでもある。現役時代、最も印象的だったのは、やはり松坂大輔だ。高卒１年目のデビュー戦。相手はファイターズだった。甲子園を沸かせた大スター。どんなもんや、と。先発ローテーション入りしていた私はその日、登板のない「上がり」で、ダッグアウトのモニターで投球を見ていた。

とんでもないヤツや！　助っ人外国人を本気にさせたボール

　そこで披露したのが、多くの野球ファンの記憶に残っているだろうシーンの連続。もんどり打って倒れた片岡さんの空振り三振。フランクリンとの一触即発。ボールが顔面付近に行ったとはいえ、温厚な助っ人外国人が憤った。ボールが、気迫が、彼を本気にさせた。とんでもないヤツや！そう思ったのと同時に、負けたくないと闘志に火がついたのを覚えている。

超強力打線と真っ向勝負

　打者では当時の常勝軍団・ダイエーの打線を形成した面々。井口に松中、小久保に城島。皆、超一流。それがラインアップに並んでいる。投げる立場としては勘弁してもらいたい。ただ、抑えて勝った時の喜びはひとしおだった。

　強者が集まり、しのぎを削る。これぞプロの世界だ。レギュラーシーズンはまだ残っている。その先にはポストシーズンも待ち受ける。こんな幸せなことはない。