伏見寅威 腰痛から復帰し代打2点二塁打 ベテラン捕手が説く短期決戦への心構え
■パ・リーグ25回戦 ソフトバンク6-2日本ハム(9月29日、エスコンフィールド北海道)
下克上日本一へ! 頼れる扇の要が力強くカムバック
復帰即タイムリー! この日1軍昇格した日本ハムの伏見寅威捕手(34)が七回に代打で登場し、2点二塁打を放った。
腰痛で離脱していたが、ホーム最終戦で復帰。不安を払拭する一打で詰めかけた3万人超のF党を安堵させた。〝下克上日本一〟には欠かすことのできないベテラン捕手が帰ってきた。
七回2死一、二塁で左中間へ 「結果を出せて良かった」
一振りで魅せた。腰の痛みで離脱した9月18日のソフトバンク戦(ペイペイ)以来となる久々の出場も、きっちりと結果を残した。
七回2死一、二塁から放った代打での2点二塁打。「率直に結果が出るっていうのはすごい良かったと思いますし、大事な時期だったのに離脱してしまって、申し訳なさもすごくあった。こういう結果を出せて良かった」と一安心だ。
目標にしていた地元スタートのCS
抹消中、チームはエスコンでのCS(クライマックスシリーズ)初開催も決めた。
「去年からCSには必ず出場したいっていうところでやってきてますし、今年なんとか(CSに出場する)っていう思いでプレーした結果、みんなの力もあって2位でシーズンを終えることにはなる」。昨季、FA移籍で日本ハムに加入し、地元からポストシーズンを始めることは一つの目標だった。
ポストシーズンを知る男
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伏見は等身大のプレーこそが、短期決戦を制するポイントと見ている。大舞台ではいいプレーをしようと思いがちだが、そこにストップをかける。「やっぱり、当たり前のことができなかったら負けるので。結局、ファインプレーもしなきゃいけないとか、スーパープレーが出なきゃ勝てないとか、そういうわけじゃない」と言い切る。
「基本的なところができるか、できないかの、本当に小さい勝負」。そういった当たり前のプレーを堅実に積み重ねられるかが、勝負の鍵を握る。
大切なのは平常心 心がける普段通りのリード
バッテリーとしても同様だ。当然、相手打線を封じるための策は講じるが「自分の投球をしてほしいですし、僕もあまりできないことを要求するのではなくて、ピッチャーのできることを全力でサポートしてあげたい」と、投手に実力以上のものは求めないつもりだ。
また、短期決戦への意識が強すぎると、萎縮する可能性もある。「あまり意識しすぎてほしくないなっていうところはありますね。みんないい結果が出て、今(の順位)なので。意識しすぎると腕が振れなくなっちゃったりするので、自分のやれることをやる。それが一番、大事なんじゃないかな」と平常心を求めた。
目指すはもちろん頂点 「最後までプレーしたい」
CS進出がゴールではないことは明白だ。「CSに出ることだけではなくて、やっぱりそこで勝ち上がって、日本シリーズまでみんなで。今年は最後までプレーしたいという思いが強いですね」
ここまで培ってきた経験を還元しながら、チーム全員で頂点を目指す。