ファイターズ
《ハム番24時》10月1日
球場に流れたアナウンスに一瞬、記事を書く手が止まった。前日9月30日の西武戦(ベルーナドーム)で、短期決戦を見据えて、田宮が八回裏から左翼の守備に就いた。
一夜明け、本人に話を聞くことができた。昨季は外野で出場した経験もあったが、今季は本職の捕手かDHでの起用が続いていた。
緊張したかと聞くと「全然っす!」と、あっけらかん。今シーズン中も、試合前に外野の守備練習をすることもあった。「ちょっと集中したかな、くらいです。打球、飛んできてほしかった」と残念そうだった。
それでも、起用を告げられたタイミングには、ちょっぴり驚いたそう。「ゲーム中の三、四回くらいにベンチで座っていたら、『タミ、外野のグローブ持ってきている?』と聞かれて、持ってきていまーすって」。急きょ、外野で出場することが決まったという。
ちゃんと持ち歩いていた外野用のグラブは、21年シーズン限りで引退した球団職員の谷口雄也氏から譲り受けたもの。「雄也グラブ、使っていますよ。外野やらないから、これしかないですもん」。背番号64の先輩から受け継いだ〝相棒〟の出番が、またあるかもしれません。