ファイターズ
2024/10/03 23:55

我が道を行く達孝太 成人式を欠席して「気付いたらいた」場所とは

初勝利のウイニングボールを手にする達(右)と新庄監督=撮影・松本奈央

■パ・リーグ25回戦 日本ハム3-0ロッテ(10月3日、ZOZOマリンスタジアム)

未開の森を切り開く大人になりたい

 高卒3年目の達孝太投手(20)がプロ初勝利を挙げた。「未開の森を切り開いて、誰も歩いたことのない道を歩いて行くような大人になりたい」と20歳の誓いを立てた未完の大器が、大きな夢に続く記念の1歩目を踏み出した。

批判を恐れず目標はサイヤング賞

 目標はメジャーでサイヤング賞。プロ入り前から批判を恐れず思ったことを口にし、我が道を行く性格だ。「ビッグマウス」「わがまま」「頑固」と、悪く捉えられることがあることは自覚している。それでも、周囲の雑音に惑わされることはない。野球が好きで、本気で世界の頂点を目指しているからこそ、人一倍のトレーニングと勉強を重ね、自分の信じる道を突き進んできた。

2年ぶり2度目の先発登板となった達=撮影・金田翔

 

ルーキーイヤーから個性際立つ

 プロ入り直後の新人合同自主トレ初日から、個性は際立っていた。全体でキャッチボールが始まる直前に突然、一人で練習の輪から離脱。他の新人たちと足並みを揃えることなく、入念なストレッチを行う姿は周囲を驚かせ、賛否両論を呼んだ。

 「自分の体の状態を見て、決めました。きょうはいつもより少し、上半身が硬かった。そのままアップが不十分な中でキャッチボールに入って、けがしても何の意味もないので、少し遅れてやらせてもらいました」

 ウオーミングアップの前にストレッチを済ませておけ、という意見に対しては、「アップの中でバランスが崩れることもある。全体練習の中のアップは自分に合っていない部分もある。それによって少し崩れた部分を、キャッチボールの直前に修正することで、効果的に感じるので」と主張した。この時、まだ17歳だ。

2022年1月の新人合同自主トレでキャッチボール前に入念にストレッチする達

 

WBC決勝より練習 気持ちで負けたら負け

 昨年のWBC決勝は見なかった。集まって観戦するチームメートたちに見向きもせず、自分の練習に集中した。「何か、見られなかったですね。何がそうさせているのか、全然分からないですけど。出ている人たちをすごいと思ったら、負けな気がする。気持ちで負けたら負け。見ている時間があったら、練習した方がいい」。

節目の式典よりも大切なこと

 今年の3月に20歳を迎えた。しかし、同級生が揃って出席する1月の成人式には行かなかった。「友だちがあんまりいないので(笑)」と冗談めかしたが、達には節目の式典よりも大切なことがあった。「朝、気がついたらグラウンドにいました。午前9時から午後3時ぐらいまで練習していましたね。走って、キャッチボールして。夜6時からはジムに行きました」。

成長のため高額機器を次々と… ボディービルダーの動画も参考に

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