札幌MF駒井善成「全勝しか道はなくなる」 痛恨の終了間際2失点でまさかのバッドエンディング…
■J1第33節 G大阪2-1札幌(10月5日、大阪・パナソニックスタジアム吹田)
残り5試合で残留圏と勝ち点6差
北海道コンサドーレ札幌は1点リードの後半アディショナルタイムにG大阪FW宇佐美貴史(32)に2得点を奪われて逆転を許し、痛恨の黒星を喫した。暫定17位の湘南の試合は翌6日に行われるが、勝てば勝ち点9差にされ、仮に湘南が敗れたとしてもJ1残留圏内との勝ち点差は6となるため、残り5試合で今季初めて勝ち点差が残り試合数を上回ることが確定。逆転残留に向けて黄色信号が点灯する結果となってしまった。
白井が古巣へ恩返し弾
札幌の勝利へのストーリーは、ハッピーエンドが目前まで迫っていたはずだった。加入後リーグ初先発となったFW白井陽斗(24)が、前半8分に古巣・G大阪のゴールマウスへ左足でシュートを流し込み先制に成功。白井の〝恩返し弾〟による虎の子の1点を守り抜き、試合はいよいよ後半アディショナルタイム(AT)へと突入。だが脚本の最後のページに記されていたのは、札幌の敗北という〝バッドエンディング〟だった。
大﨑のハンドでPK献上
後半AT突入直後、ペナルティーエリア内でG大阪MFダワン(28)がヘディングしたボールがDF大﨑玲央(33)の左手に当たったとされてVAR検証。オンフィールドレビューの結果、G大阪にPKが与えられると、宇佐美にきっちりと決められて同4分に同点に追い付かれてしまう。
勝ち点1すら掴めず 駒井「非常に痛い。それしか…」
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掴みかけていた勝ち点3が札幌の手中からスルリとこぼれ落ちてしまったが、試合終了の瞬間にその手の中に残った結果は「勝ち点1」ですらなかった。同AT8分には宇佐美にペナルティーエリア内への華麗なドリブル突破を見せつけられると、最後はGK菅野孝憲(40)の牙城を崩され、まさかの勝ち越しゴールを決められた。わずか10分弱の短い間に、札幌は敵地から持ち帰るはずだった勝ち点3を全てG大阪に奪い取られた。MF駒井善成(32)は試合後、沈痛な面持ちで「非常に痛い。それしか言えない」と、言葉少なに肩を落とした。
札幌シュート4本、G大阪18本
後半はG大阪にボールを持たれる時間が多かったが、札幌も幾度となくカウンターを発動。だがフィニッシュまでつなげることがなかなかできず、終わってみればシュート数はG大阪の18本に対して札幌は4本と大差がついた。フィニッシャーとして期待された途中出場のFWジョルディ・サンチェス(29)、FWアマドゥ・バカヨコ(28)は共にシュート0本で試合を終えた。ATに入る前に追加点でとどめを刺せていれば、試合の終わり方は大きく違っていたはずだ。
厳しさを増した現状
強い気持ちでここまでのシーズンを戦ってきた駒井にとっても、この敗戦のショックは大きく、「今日の負けでだいぶ追い込まれた状況になった思う。もう全部勝たないと残れないぐらいまで追いつめられたと思うし、明日、湘南が勝ってしまえば、本当に全勝しか道はなくなると思う」と、さらに厳しさを増した現状を見つめる。「毎試合毎試合、全力でベストを尽くしてやるしかない」。
札幌の行く末には何が待ち構えているのか。今はただそれが明るい光であると信じて戦い抜いていくしか、道はない。