コンサドーレ
2024/10/07 12:30

《こぼれ球》白井の恩返し

 

 5日のアウェーG大阪戦では、FW白井陽斗に2度驚かされた。ひとつは2トップの一角としての先発抜てき、そしてもうひとつはその起用に応えて古巣相手にゴールを決めたことだ。

 G大阪戦当週の紅白戦では、1日だけ別のポジションで主力組としてプレーしたものの、トップの位置には主力組、サブ組通じて一度も配置されていなかった。札幌の番記者内でも全員がベンチスタートと予想していただけに、スタメン発表時に先発FWの1人に白井の名前を見つけたときは強い驚きを受けた。本人によると「昨日(4日)、もしかしたら(先発入りが)あるかもと聞かされて」と、試合前日に先発入りの可能性が急浮上したそうだ。

 パナスタでのJ1リーグ戦初出場を飾った白井は、前半8分にいきなり先制ゴールをゲット。「あまり決めた直後を覚えていなくて。ただG大阪サポーターの目の前だったので、喜ばないように抑えたつもりだった」と、J1初ゴールにもかかわらずゴールセレブレーションこそ控えめだったものの、先発起用に応える〝一発回答〟を披露してみせた。

 J1初先発で古巣相手にゴールを決めるという、出来過ぎな展開に大いに驚かされたが、白井は「決められると思っていた」と〝当然の結果〟だと語る。「決めるのはわかった上で、このスタジアムを楽しもうと思っていた」との言葉どおり、交代するまでの65分間、憧れのピッチでのプレーを思いっきり満喫した。

 このゴールで勝利できていれば最高の〝白井デー〟となったはずだったが、残念ながらチームは後半アディショナルタイムに2点を奪われ、J1残留が遠のく痛恨の逆転負け。だが白井は「切り替えて、また練習からやっていくしかない」と前を向く。ラスト5試合、札幌に新たに誕生した攻撃の切り札の活躍に大いに期待していきたい。

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