旭川実業が五回コールド勝利 公式戦初先発・馬場太智が4回1失点&2打点【秋季旭川支部】
■秋季全道高校野球旭川支部(10月6日、旭川スタルヒン)
▽Bブロック準決勝 旭川南1-13旭川実業 ※五回コールドゲーム
今夏の北大会4強の旭川実業が旭川南を五回コールドで下し、5季連続の全道切符に王手をかけた。この秋から背番号9でベンチ入りした、公式戦初先発の馬場太智投手(2年)が、4回2安打1失点と好投した。新チームでは、馬場を含めて甲子園出場選手らOB2世5人がベンチ入り。センバツ甲子園には2度出場も、まだ成し遂げていない秋の全道タイトルを目指す。
コーナーを丁寧に突く投球で凡打の山
181センチの長身右腕・馬場が力感のないフォームから凡打の山を築いた。奪三振は4と少ないが、コーナーを丁寧に突く投球で四球はわずか1個。3番手で公式戦初登板した1回戦に続いてのマウンドだったが「その時は準備もできて緊張もあまりなかった。きょうは先発というのもあって、少し緊張した。きょうは練習でできたことがあまりできなくて、球数も増えてリズムが悪くなってしまったが、粘り強く投げることができた」。失点は連打を浴びた三回の1点のみに抑えた。
投打の中心・田中が抜け総合力で勝負
夏に投打の中心だった最速152キロの田中稜真投手(3年)が抜けたが、秋は総合力で勝負する。岡本大輔監督(51)は「個々の力を見ても、夏から比べれば高くはない。どうやって勝つかと言ったら、本当にみんなで力を合わせていくしかない。田中みたいなピッチャーがいるわけじゃないので、頑張って打って、それを何とか守る。ホームランをガンガン打てるバッターがいるわけでもない」。犠打や重盗などの小技を武器に勝ち上がってきた。
父と兄の背中追い旭実へ進学
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馬場は中学硬式の旭川北稜リトルシニアでエースとして3年春の全国選抜大会に出場。OBだった父・義孝さんと兄・孝太朗さんの背中を追って、旭実へ進んだ。1年春に中学からチームメートだった西村颯汰投手(2年)がベンチ入り。ライバルの活躍を尻目に、今春解禁になった2段モーションに挑むなどしたが、うまくはまらず、秋の大会直前に元のモーションに戻すなど試行錯誤を繰り返してきた。夏休み中の福島・一関学院戦に先発。「全然雰囲気が違って、抑えたら自信にもなるので、絶対抑えてやろう、と」。6回1失点と好投し、自信を深めた。
中軸担う打力 指揮官も期待
岡本監督は馬場を5番で起用。一回と二回に犠飛で2打点をマークした。「球速はまだそこまで、130キロちょいぐらいなんですけど、キレのあるストレートと、緩い変化球でカウントを取れるのが一番大きな武器。今は、バッティングも良いので、野手も兼ねてやってますけど。両方頑張ってほしい」と期待を込める。
ミラクル旭実時代のOBと深い縁
馬場の中学時のチームの指揮官は、1995年夏の甲子園初出場で8強入りした〝ミラクル旭実〟のエース角井修さん(47)。その息子でチームメートの角井佑成内野手(2年)は、背番号14でベンチ入り。加藤千聖投手(1年)の父は、99年夏の甲子園16強入りのメンバーで、撫養(むや)凌空斗(りくと)捕手(2年)と、遠藤空仁遊撃手(2年)の父もOBだ。
全道決勝は3連敗中 今度こそ頂点へ
センバツ甲子園には、2002年秋に全道4強入りして希望枠で初選出。05年秋も全道4強入りして、駒大苫小牧の明治神宮大会優勝による神宮枠で出場したが、実は秋の全道決勝に3度進むも3連敗中。馬場は「甲子園に絶対に行きたい」。父と兄が果たせなかった聖地への思いを背負い、頂点まで駆け上がる。