札幌南が8年ぶり全道切符 背番号2の主砲・本間が投手で自身2試合連続完投【秋季札幌支部】
■秋季全道高校野球札幌支部(10月7日、札幌円山ほか)
▽Cブロック代表決定戦 札幌南3-2札幌真栄
3安打で3得点 好守も冴えた
夏のスタメン6人が残る札幌南が秋は8年ぶりの全道切符をつかみ取った。わずか3本の安打しかなかったが、少ない好機を逃さず3得点。先発した背番号2の本間流郁捕手(2年)は被安打10ながらバックの好守も冴え、2失点にとどめて最後まで投げ切った。本間は1回戦の北海道科学大高戦でも1失点完投するなど、少年野球でバッテリーを組んでいた同校のエース尾形尚真投手(2年)に出る幕を与えなかった。この日で16日開幕の全道大会に出場する10支部20代表が出揃い、同9日にはプレドで組み合わせ抽選会が行われる。
157球の熱投 最後は感情爆発
1点リードも九回2死二、三塁と一打サヨナラ負けの緊迫した場面。本間は高鳴る鼓動を抑え、157球目を斎藤遼平捕手(2年)のミット目掛けて投げ込んだ。遊ゴロに打ち取ると、帽子を取って抑えていた感情を爆発させた。「出力を最初に上げすぎちゃって、途中で疲れがでた。けっこう苦しかったけど、抑えられて良かった」と満面の笑みを浮かべた。
序盤は直球 後半は変化球を多投
本職顔負けの投球だった。札幌柏中時代にも投手経験はあり、今春の札幌支部予選で投手デビュー。先発は新チームになってから。一回を3者三振で滑り出すと、四回までに7Kをマークした。
2-0の五回に連打を浴びて1点失うと、疲れが見え始めた七回からはスライダーや、チェンジアップを効果的に織り交ぜる投球にシフトチェンジ。七回に1点差まで詰め寄られたが、最後まで粘り切った。
「七回ぐらいから直球が甘く入ったり、ストライクが入らなくなってきたので、配球をガラっと変えました。序盤は基本ストレートで、後半はスライダーを混ぜた。前半使わなかった分、後半刺さったかな。けっこう苦しかったけど、抑えられて良かった」
本間〝専属〟の斎藤捕手が先制打 「すごい配球するのが楽しく…」
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一回に先制打を放った斎藤捕手は本間〝専属〟だ。本来は三塁手だが、新チーム発足時に本間を投手として生かすため、直訴した。本間が登板するときだけプロテクターを身に纏う。「練習試合で少しなんですけど経験を積ませていただいて、この秋やっとキャッチャーで出れた」。
約10試合の実戦を経て、1回戦の北海道科学大高戦で捕手デビューした。「配球とか難しいけど、本間のコントロールが良くて、すごい配球するのが楽しく、毎試合やらせてもらってます」。バッテリーミスは一度もなく、息もぴったり。立派に扇の要を務めた。
村尾主将が五回のピンチに魅せた
粘り強い守備を象徴したのが、主将を務める村尾壮太遊撃手(2年)だ。五回、3本の安打と犠打などで1点を返され、なおも1死満塁と一打逆転のピンチ。ここで強烈なライナーが三遊間上空に飛んだが、村尾がジャンプ一番でグラブの先っぽでギリギリキャッチ。「ここで点を取られたら相手に流れを持っていかれる。何とかグローブに入ってくれて、流れを断ち切ることができて良かった」。着地すると、すぐさま冷静に三塁に転送。併殺で切り抜け、流れを渡さなかった。
夏の甲子園出場時の主将が田畑監督
OBで2000年夏の甲子園出場時の主将を務めた田畑広樹監督(42)は、自らの現役時代も含めて初めての秋の全道だ。「先行逃げ切りで行きたかったんですけど、ハマった場合、守備での展開になることも分かっていた。そうなると本間の方が、強弱つけながら投げられるという判断で、今日は先発させました。こういう試合を守備で守り切ることが今までできなかったので、チームとしては、すごくこの1試合で成長できた」。支部予選3試合を通じて日に日にレベルアップしていった選手たちに目を細めた。
監督を勝たせたいと全員で意志統一
斎藤捕手が札幌南に進学をした大きな理由が指揮官の存在だ。「甲子園経験者のキャプテンで、その下で学ばせていただきたいなと思った。とにかくミーティングも、去年の代よりはやってきた。そこで何とか監督を勝たせたいとみんなの意志が一つになっている実感をしてるので、そこの目標はブレてない」。
21世紀枠は狙わず優勝を目標に
勝ち進めば21世紀枠も視野に入るが、本間は「優勝目指して甲子園に行きたい。21世紀枠とかを狙うわけじゃなくて、まずは優勝を目指して頑張りたい」。道内トップクラスの進学高が、野球でも北海道ナンバーワンの称号を奪いに行く。