2部・北海道文教大が劇的サヨナラ勝ち F今川を育てた高橋葉一監督が就任3年目でスピード昇格【札幌6大学秋季入れ替え戦】
■札幌6大学秋季1部・2部入れ替え戦最終日(10月9日、江別・野幌総合運動公園硬式)
▽1部・札幌大谷大(2敗)0-1 2部・北海道文教大(2勝)
北海道文教大が九回1死満塁から6番の指名打者・高橋洵登(1年、千葉学芸)のサヨナラ犠飛で札幌大谷大を下し、来春の初の1部昇格を決めた。22年に本格強化のために招聘した、元東海大札幌監督の高橋葉一監督(58)は、2年生以下の若いチームを束ねて、わずか6季で1部昇格を果たした。
東海大札幌で春4連覇も不祥事の責任取り辞任
胴上げで宙を舞った指揮官。18年に1部の東海大札幌で春4連覇を果たすも、全日本選手権直前にチームの不祥事の責任を取って辞任。雌伏の4年を経て、新天地で野球経験者13人の3部からスタートし6季目。「1、2年生のチーム。しかも13人からスタートして2年半しか経っていないので、それを考えたら早いですよ、やっぱり」。来春、東海大札幌の監督として戦った18年春以来の1部で再びタクトを振る。
就任直後の22年春いきなり3部優勝
就任直後の22年春にいきなり3部優勝。秋に再び優勝して23年春の2部昇格を決めた。春はマネジャー含めて41人が入部。23年秋には国内最大級の室内練習場が完成した。24年春はさらに29人が合格。3年生以上は学業に専念で引退したが、それでも2年生以下57人の大所帯まで膨らみ、選手層がぐっと厚みを増した。
「ちょっと悔しすぎ」3季連続でやられた相手とは
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ところが今春、3季連続で札幌国際大の後塵を拝した。「あれは、ちょっと悔しすぎましたね。昇格云々というよりも、同じ相手に3回やられてるじゃないですか。しかも春はプレーオフで。あれが、私の中では堪えましたね」。壁にぶつかった。
北照出身の西浦主将がチームまとめた
苦しいチームをまとめ上げたのが、主将の西浦真平右翼手(2年)だ。北照高時代から抱えていた腰椎分離症が春季リーグ戦で悪化。約2カ月離脱した。なんとか復帰したが、この日の試合中に痛みが再発。「何が何でもきょうで決めたかった。大学来てまさかキャプテンやるなんて思ってなかったですし、のびのび羽を伸ばしてプレーしようと思っていたので、言われた時はびっくりしたけど、 やるしかないと腹をくくって、言いたくないことも言ってきたし、厳しいことも。それでもついてきてくれたので、本当に仲間のおかげ」と喜ぶチームメートを見て、痛みはどこかに吹き飛んだ。
今川擁して2017年全日本選手権4強 あの時代超える
来春も20人以上の入学者が入る予定。着実に力を付けてきたが、指揮官の目にはまだ物足りなく写る。監督を務めた東海大札幌では、15年春から4年連続で全日本大学選手権に出場。17年には当時3年の日本ハム・今川優馬外野手(27)を擁して4強入りした。「今川がいた時代を超えないと、今の時代は大学選手権では勝てない。あそこに追いつけているかというと、全然ですよ」。長い冬に徹底的に鍛え上げ、再び全国の檜舞台を目指す戦いが始まる。