■１０月１０日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場

　北海道コンサドーレ札幌は１９日のアウェー名古屋戦（豊田ス）に向け、１１対１１プラスフリーマンでの紅白戦などを行った。負傷のため戦列を離れていたＤＦ髙尾瑠（２７）は主力組の一員としてプレー。故郷・愛知県でのアウェー戦に向けて復活を印象づけた。

好守でケガの影響感じさせず

　また１人、チームに頼れる男が帰ってきた。前日９日から全体練習に完全合流した髙尾が、復帰後初となる実戦形式のトレーニングに参加。守備ではディフェンスラインの一角としてＦＷジョルディ・サンチェス（２９）ら相手チームのアタッカー陣を徹底マーク。また攻撃面では、高い位置まで上がってのパスやクロスでチャンスメークするなど、ケガの影響を感じさせないプレーぶりを披露。「スタメンを目指してやっていきたい」と、次節・名古屋戦での先発復帰を首脳陣に向けてアピールした。

連続出場中に負傷して離脱

　札幌加入１年目の今季は、ケガの影響もあって序盤こそ出遅れたものの中盤戦からは右ＣＢのレギュラーに定着。安定した守備と効果的な攻撃参加で、夏場以降の戦いに大いに貢献していたが、９月１４日のホーム東京Ｖ戦（０●２）の試合序盤に右ハムストリング肉離れを発症。前半１０分でピッチを退くこととなった。「チームにとっては分からないけど、自分にとっては試合にずっと出られていた時期だったので、（負傷離脱は）痛かった」と振り返る。

紅白戦後は笑顔でクールダウン

　幸い負傷の程度は重くはなく、１０日ほどたった９月下旬からはピッチ外周のジョギングを開始。今月３日には全体練習への部分合流、そして９日から完全合流と、ここまでの経過は順調そのもの。復帰後初となる紅白戦を終えたあとも、ＦＷ白井陽斗（２４）と共に笑みを浮かべながらジョギングでクールダウンするなど、リバウンドの心配はなさそうだ。

育成時代を過ごした名古屋には特別な思い　過去４度の凱旋では…

　愛知県出身の髙尾にとって次節の相手はＵ－１５、Ｕ－１８と６年間下部組織でプレーしてきた縁のあるチームでもある。過去の対戦時にも「気持ちが入っていた」と、他チームにはない特別な気持ちを抱いてきたそうで、今回の対戦もまた「意識してますね」と、高いモチベーションで挑もうとしている。故郷を舞台にしたアウェー戦にはＧ大阪時代に過去４試合出場してきたが、そのうち先発出場を果たした３試合では１勝２分と無敗を誇っている。何としてでも勝利がほしい１戦で白星をつかみ取り、この記録を伸ばしたいところだ。

残り５試合に勝てれば可能性ある

　チームは前節のＧ大阪戦（１●２）に敗れ、Ｊ１残留が遠のく形に。髙尾も「すごく痛い敗戦だった」と話しながらも「残りの５試合に勝てれば可能性はある」と前を向く。今季の行方を左右する大きな一戦で、髙尾が札幌の右サイドに再び活力を注入してみせる。