CS突破へ 選手会長・松本剛の考え 短期決戦を制するポイントはー
日本ハムの松本剛外野手(31)が10日、エスコンフィールド北海道で行われた練習後に取材対応し、クライマックス・シリーズ(CS)を勝ち抜くためのポイントを挙げた。長丁場のペナントレースとは異なる心構え、戦い方が必要。精神的な支柱となる選手会長は有言実行でチームをけん引する。
ポストシーズン意外や2018年の1試合のみ
プロ13年目だが、2軍での下積み期間が長く、ポストシーズンの経験はそれほど多くない。2018年のCSファーストステージで、1試合に出場しただけ。短期決戦を熟知しているわけではないが、自らの実体験に加え、先輩や仲間から引き継いだ教訓がある。
最大3試合のCSファーストステージを控え、真っ先に言及したのは「本当に、一つのミスで一気に流れが変わってしまうことがある」という点だ。守備、走塁、打撃、作戦…。小さなほころびが出ると、相手に付け込まれて、取り返しが付かなくなる可能性がある。
野手としてできること「先制点」
次に指摘したのは攻撃面。好投手がぶつかり合い、競った展開が想定される。だからこそ「野手としてできることは、先制点を取ること」。理由は明快で「(トーナメント一発勝負の)高校野球を例に出しますけど、どんなに相手が格下でも、先制点を取られると、回を追うごとに焦りが出てくる。まして、今回はロッテさんが相手。もちろん、力の差なんてない」と断言した。
レギュラーシーズンの対戦成績は参考にならない!?
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
レギュラーシーズンではロッテに対して18勝6敗1分けと、分が良かった。ただ、楽観視はできないという。「僕個人としては、有利不利は全くないと思っています。シーズンが終わって少し間が空いて、よーいドンで始まる試合。エスコン開催が唯一のプラス材料かなというぐらいで、どっちに転ぶか、分からない。先制点を取る、ピッチャーは何とか先制点を取られないようにする。そこが大事になる」
正攻法ダメでも〝セコセコ野球〟がある
仮に正攻法で打ち崩せなくても、足や小技を絡めた〝セコセコ野球〟の引き出しもある。不安はない。「バント一つ、進塁打一つが大きな意味を持つ。シーズン中の1打席よりどうしても重圧がかかる。そこは選手一人一人が考えて、打席に向かうしかない」と腹をくくっていた。
準備したら「あとは思い切って楽しむだけ」
22年の首位打者も、今季は打率.236にとどまった。当然、CSで巻き返すつもり。この日のシート打撃では宮西、山崎から安打を放ち、状態の良さをうかがわせた。スタンバイはできている。「もちろんスタメンで行く気満々です。例え控えだったとしても、短期決戦になれば、どんどん動く展開になると思うので、しっかり準備して。みんなが意識的にバント練習してきたのも見ている。新庄監督が言うように、準備したらあとは思い切って楽しむだけです」。人事を尽くし、大勝負のときを迎える。