【一問一答】伊藤大海のレギュラーシーズン総括 投手2冠に「野手が勝たせてくれた」
日本ハムの伊藤大海投手(27)が11日、2024年のレギュラーシーズンを振り返った。プロ4年目の今季は開幕投手を務め、キャリア最多の14勝をマーク。シーズンを通してローテーションを守り、最多勝と最高勝率の2冠を獲得した。押しも押されもせぬエースへと成長した右腕は、迫る短期決戦へ気合を込めた。一問一答は以下の通り。
ー今季を振り返って
「今年は開幕投手をやらせていただいて、勝ちで始められたシーズン。そこでチームとして、今年はいけるという試合になったのが開幕第1戦。そこからチームの好不調はあったけど、最後までみんなで楽しんで戦い抜けたシーズンだったと思います」
ー残した数字は
「納得いく数字かどうかと言われたら、自分はそうではない。勝ち星や最高勝率はチームが勝てた証拠。チームメート、監督、スタッフにしっかり感謝して受け取りたい」
ー14勝はキャリアハイ
「素直にうれしい部分ではありますし、自分が投げた試合に勝てたのはうれしい。投げた試合に勝つ喜びを感じられたので、来年以降もタイトルに関われる投球がしたい」
ー最高勝率。チームに貯金をもたらした
「防御率が防御率なので。野手のみんなが打ってくれたり、勝たせてくれたということだと思う。そこは感謝して、この後の戦い(CS)もお願いしたい」
ー2冠は2015年の大谷以来
「今もメジャーリーグで大活躍している先輩と同じタイトルを取れたのは、すごくうれしい。北海道日本ハムファイターズの選手、プロ野球選手としてスタートラインに立てたかなと思います」
ー印象に残る試合は
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「開幕戦はもちろんですけど、9月のソフトバンク戦ですかね。最後まで投げ切れた部分。独走していたホークスに対して最後まで1人で投げ抜いて、チームも良い形で勝つことができた。これからの戦いに向けても、非常にいいゲームになった。完璧な内容じゃない中でも、粘ることができた。今季のファイターズを象徴するゲームだったと思います」
ー完投、完封もリーグトップ。去年からステップアップできたと感じるか
「前半はそこまで感じていなかった。いろいろな変化球を試す中で、力で抑える感じはなかった。けど、後半にかけてボールの握りを変えて真っすぐが強くなった。そこから自分の投球スタイルを確立できた」
ー上積みしたい部分、課題は
「まだまだ課題だらけだと思う。イニング数も、今振り返ると、この試合はもう1、2イニング投げられたなってゲームがたくさんある。リリーフ、抑えという分業制の中で、先発投手として僕は完投を増やしていきたい。それがチームのプラスになる。イニング、防御率を、来季はもっといいもので終われたら、と思います」
ー初のポストシーズン
「初めてで、どれほどの緊張感になるか想像もつかない。今年、ファイターズが体現してきた楽しむというのをみんなができれば、おのずと結果は付いてくると思う。楽しんだ結果が目指すところであれば、チームとして一番の結果になる。そこを目指してみんなで楽しんでいければ」
ーシーズン中も楽しむがキーワードだった
「楽しむという言葉も、言葉としては簡単かもしれないけど、楽しむとは何かを考えながら今年はプレーしていた。ワーワーやる楽しさと、プロ野球選手として目の前の一瞬のプレーを本気で心から楽しむことで、良い結果に繋がった。例えミスしても次に繋がるというか。いろいろなことを考えさせられる言葉。僕はすごく重く捉えている。それを体現するのがプロ野球選手として大事なことだと改めて感じた」
ーチームで4年間過ごした。周囲の成長を感じることは
「キャンプの初日からチームの雰囲気が違っていた。一人一人の意識であったり目指すものを明確にして2月1日に入った。チームも各々の方向性も同じ方向を向いた瞬間があった。その歯車が徐々にかみ合っていったと思う」
ープレミア12に選出
「うれしく思いますし、長いシーズンになるけど、チームのために楽しむだけだと思います」
ー新庄監督は立ち居振る舞いが成長したと
「3年間いろいろなことを勉強して、感じる機会が多かった。WBCのダルビッシュさんの姿であったり、去年まで一緒にプレーした上沢さんの姿であったりとか。実際に自分の目で見て感じて、姿で教えてくれる先輩がいた。そういうところを真似てみよう、から始まった。真似ていくと、僕もいろいろ感じ始めた。意識してするよりかは、自然にそういうことを自分がすべきだ、こうあるべきだと感じられた」
ーダルビッシュはWBCで若い選手に声掛けしたり献身的だった。その姿に何を学んだか
「ぶれちゃいけない。自分自身がぶれずにやり通す。今年だったら…、今までは年間を通して何かをやり切ることがなくて、変えていきたいタイプだった。何か1年間続けられることは? って考えたときにウオーキングだったらできるな、と。それをコツコツ続けて、ぶれずにやれたのは自信になった。簡単なことではあるけど、毎日やり続ける。その時間はいろんなことを考えられる。きのうのゲームはどうだった? きょうのゲームはどうなる? とか。歩いていたら考える時間になる。考えながらエスコンの中をぐるぐる歩いていた。有意義な朝の時間を過ごせた。やって良かった」
ーダルビッシュは降板後も、ベンチで応援したり味方を鼓舞する姿も。そこも真似たか
「去年は自分のことで精いっぱいだった。自分の投球の良し悪しで感情が左右されることが多かった。ゲームが終わるまでは何があるか、起きるか分からない。実際に逆転してくれる場面もあった。最後の1球が終わるまでチームと一緒に戦う姿勢を見て、強く思いました」
ー尻上がりに調子を上げた。コンディションづくりは
「今年は開幕投手を早めに言い渡されたので、2月のキャンプもこの日にブルペン入ると決めて、サイクルを崩さないようやりたいとコーチ陣とも相談した。きょうまでそのサイクルを崩してない。登板間隔、過ごし方を自分の中で良い形で確立できた。今までコンディションに合わせてメニュー調整したところを、崩さずキープしつつ、プラスすることはあったけど、減らすことはなかった。体づくりをしながらシーズンを走ることができた。ちょっと落としてという調整をせず、どんどん良くなるようプラスプラスにできたのは大きかった」
ー8年ぶりのCS地元開催
「エスコンフィールド北海道でCSをできるのはうれしく思う。北海道の多くのファンのみなさんの前で熱い戦いができるのは選手としてやりがいがある。より多くのファイターズファンの皆さんにプレーを見ていただきたい思いがあったので、それを叶えることができて素直にうれしい」