《荒木大輔のズバリ解投》短期決戦でもハマった新庄采配
■2024 パーソル クライマックスシリーズ パ ファーストS第2戦 ロッテ2ー3日本ハム(10月13日、エスコンフィールド北海道)
サヨナラ勝利を演出 大きかった松本剛の四球
日本ハムが劇的勝利で対戦成績を五分にした。試合を決める一打を放った浅間。1点ビハインドの九回に同点弾を叩き込んだ万波。当然、この2人は素晴らしいのだが、もう一人、サヨナラを演出した選手がいる。松本剛だ。
前日の第1戦でバント失敗
十回2死で打席が回ってくると、粘って四球を選んだ。その後、幸太郎(清宮)もヒットでつなぎ、浅間に回した。松本剛は一回、内野安打の際にヘッドスライディングを披露。チームを鼓舞していた。前日の第1戦でバント失敗もあった。なんとかしようという思いが前面に出ていた。
次の1点を与えなかった山崎
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山崎の好リリーフも非常に大きかった。1―2の八回からマウンドに上がった。次の1点が致命傷となる緊迫の展開で3回を無失点に抑えた。今季、レギュラーシーズンでの登板はすべて先発だった。それでも、大事なシーンで彼らしさを発揮した。勝負どころで間違いを犯さないのがベテラン左腕の持ち味。オリックスでCS(クライマックスシリーズでの登板はなし)も日本シリーズも経験している。そのキャリアが生かされた。
采配に見た新庄監督のメッセージ
短期決戦でも新庄監督の采配がハマった。私もコーチとしてCSを経験している。ペナントレースで中継ぎ経験のなかった投手をリリーフとしてマウンドに送る。その決断は難しい。なるべくなら、中継ぎを専門にしているピッチャーに託したい。ただ、今回のようにハマれば、効果は絶大だ。実際、山崎がコールされると、球場の雰囲気も変わった。チームに、そしてファンへのメッセージでもあったのだろう。エース級をつぎ込んででも勝つ!という。
第3戦もギリギリの戦いは必至
流れはファイターズにある。ただ、流れだけで簡単に勝たせてくれないのもロッテ。しっかりした戦い方をする。昨季もCSを経験している。若く勢いのあるファイターズか。経験値の高いマリーンズか。いずれにしても、第3戦もギリギリの戦いが繰り広げられるはずだ。