松本剛 気迫のヘッスラでチームを鼓舞 円陣の声出し役を務めたムードメーカーを「アイツはやっぱり仕事人」
■2024 パーソル クライマックスシリーズ パ ファーストS第2戦 ロッテ2ー3日本ハム(10月13日、エスコンフィールド北海道)
劇的勝利を演出 プレーで気迫でチームをけん引
日本ハムの松本剛外野(31)が13日、CS(クライマックスシリーズ)ファーストステージ第2戦に「1番・中堅」で先発出場。選手会長の気迫あふれるプレーが、劇的なサヨナラ勝利を呼び込んだ。
いきなり見せた勝利への執念
一回、先頭で迎えた第1打席。「打席に行くまで迷っていたんですけど、勝負いくしかないなって」と、初球を思い切りよくスイングした。三遊間への打球を放つと、一塁ベースに頭から滑り込み、右拳を叩いて、感情をあらわにした。
「本当に勝つしかない試合だったので、なんとか塁に出たいって、とにかく無我夢中で」と振り返った。
前日は3打数無安打 「監督が1番で使ってくれた」
新庄監督の期待に応えたかった。前日12日の第1戦では、1点を先制された直後の五回無死一塁で、バント失敗の末に三ゴロ併殺。3打数無安打に終わり、チームは完封負けを喫した。
「きのうも打ってない中で、監督が1番で使ってくれた。1番で一番、大事なのは初回の打席なので、なんとか塁に出ようと思っていました」と必死だった。
ファンの大声援にも背を押された
中盤まで劣勢の展開となったが、誰一人として諦めていなかった。「いくだけ、いくだけって、みんな言っていました。監督もボールを投げて、祈っていましたね」
ファンの大声援にも後押しされ、「ずっとチャンステーマを流してくれて、その気持ちは僕ら選手も分かっていた」と感謝した。
万波の同点弾に感激 自身は狙い通りの四球
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1点を追う九回、万波の同点弾が飛び出し、「あそこでホームラン打つのすごいっすよね。泣きそうになりました。マジでかっこ良かった」と感激した。
自身は延長十回に2死から粘って四球で出塁し「僕、四球で出たら、なんかあるんじゃないかと打席の中で思っていた。追い込まれた時は、四球、四球と言い聞かせていました」。その予感が的中し、浅間のサヨナラ打をお膳立てした。
劣勢にも失わなかった自信
どこか自信もあった。「なんか起こるじゃないかって、今年のファイターズはなんか起こしてきたので。その印象が僕らもあったし、向こうもあったと思う。野球って愉しいんだな。人が打ってこれだけ喜べるって、経験できない。興奮して、のど痛いっす」と、うれしそうに明かした。
イレギュラーな声出し役変更
第1戦を落とし、後がなくなった第2戦。試合前に行う〝円陣〟の声出し役を変えていた。前日12日はチームリーダーの松本剛が務めたが、「シーズン中は勝つまで同じ人がやろうと言っていたけど、短期決戦だから『オレじゃだめだ』って。本当は僕がやらないといけないけど、流れが悪いから『奈良間、行け』って」。ムードメーカーの奈良間にバトンタッチしていた。
欠かせない戦力 元気印の奈良間を絶賛
チームの元気印は、カンペを用意し、責務を全う。清宮が大事にしている「必要な負けがある」という意味の言葉『ネセサリー・ロス』を使い、一体感を高めたという。
「アイツはやっぱり仕事人なので。ああいうのは大事なんですよ。試合に出ていない選手はもちろん悔しいと思うけど、それでも奈良間みたいにベンチを盛り上げてくれる選手がいるから、出ている選手は責任を持ってやらないといけない」と決意を新たにした。
さあ雌雄を決する第3戦へ
運命の第3戦に向けて、松本剛は「あしたも奈良間。僕がさっき、言っておいたので」とニンマリ。ファイナルシリーズ進出に向けて、チームの雰囲気は最高潮だ。