【一問一答】万波中正 劇弾生んだ強じんメンタル 崖っぷちでも「楽しい。求めていたこと」
■2024 パーソル クライマックスシリーズ パ ファーストS第2戦 ロッテ2-3日本ハム(10月13日、エスコンフィールド北海道)
日本ハムの万波中正外野手(24)が13日、エスコンフィールド北海道で行われたCS(クライマックスシリーズ)ファーストステージのロッテ戦で起死回生の一発を放った。1点を追う九回1死で左中間スタンドへ劇的同点弾。侍ジャパンにも選ばれている入団6年目の大砲が、崖っぷちのチームを救った。ヒーローインタビューと取材に応じた一問一答は以下の通り
【ヒーローインタビュー】
―同点ホームランの感触は
「本当に打った瞬間、完璧で、自分自身、鳥肌が立つような、そんな一本だったかなと思います」
―球場の雰囲気の高まりはどう感じていた
「もう、打った瞬間から声援がすごくて、同点になったこともありますけど、本当にこれでいけるかな、という雰囲気になったと思うので、皆さんに感謝しています。ありがとうございます」
―あすの戦い、そして今後へ向けて
「あしたからもいくだけ!」
【囲み取材】
―九回の打席はストレート一本に絞って
「初球はそれだけでいこうと思っていて」
―手応えは十分
「絶頂っすね」
―生涯ベストホームランと言っていいか
「ベストじゃないですかね。これ以上いいホームランは今のところないですね」
―狙っていた
「はい。もう連打は難しいと思いましたし、もしかしたらシーズン最終打席になるかもしれない。絶対、悔いのない打席にしないとなと思って、とにかく全力で振ろうという感じでした」
―ファンも総立ちだった
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「いや、やばいっすね。待ちわびた瞬間みたいな。マジで。はい。今、メジャーのポストシーズンでそういうシーンがめっちゃ多くて、それを見て僕も興奮しているんですけど。ちょっとそんな気持ちを味わえた気がします」
―なかなか点が入らない展開だった。危機感は
「なんとか前向きに頑張ろうと、みんなそういう気持ちで声を出して、雰囲気づくりしようとしていた。ただ、きのうの佐々木投手もきょうの小島投手も本当に素晴らしいピッチングだったので。なかなか糸口はつかめなかったですけど、最終的に勝てて、なにより勢いが付く勝ち方ができたかなと思うので、ホッとしています」
―チームで硬さもあったか
「僕はうまく入り込めていた感じがしたので、硬さは感じられなかったですけど。(新庄監督就任後の)チームとして初めてのCSだと思うので、そこはロッテさんの方が経験値があるかなと思いますし、もしかしたらそういう部分もあったのかなと思います。それにしてもこの2日間の先発が素晴らしかったなと思います」
―ファイターズも投手が粘った
「感謝する気持ちと申し訳ないなと思いつつ。きょうの金村もすごい良いピッチングをしてくれましたけど、点を返すことができなくて。責任を感じているような顔をしていましたし、本当に申し訳ないなと。最後、ひっくり返してまた次、前を向いて一緒に頑張っていけるように、と思っていました」
―1敗してから、どう前を向いたのか
「どうなんですかね。僕はこういう状況を含めて楽しいなって今も思っているんですけど。これが求めていたことだと思うので、一発勝負ですし。そういう戦いを目指してやってきたので、崖っぷちですけど、それを望んでいた感じはありますね。僕は」
―あした勝ったら最高の形
「本当に最高の形ですし、見に来てくださっている皆さんも、きょうはすごい楽しんでくれたかなと思うんで、またあした勝てたら、本当にもう一回、エスコンに戻って来られるように頑張りたいです」
―観客は3万7000人超えだった
「いや、すごいっす。立ち見の人とか、前の人がデカかったら見えないんじゃないかなと思っていましたけど。少しでも空気を味わおうと来てくれた人もいらっしゃったと思いますし、そういう皆さんに感謝して、またあしたから頑張りたいなと思います」
―レギュラーシーズンの悔しさをぶつける部分があるのか。それともリセットしているか
「どっちでもないですかね。悔しいのは悔しいですし。それでもチームが勝ち進んだ、というところでいいところも、もちろんありましたし。なんか、わざわざそれをゼロにしようとかいう気持ちもなくて、なんとも言えないすけど。2つの気持ちの間ぐらいの感じですかね。反省はしつつ、前向きに短期決戦に向かって戦っていくような感じですか」
―レギュラーシーズン中も厳しい試合をひっくり返した。それができそうな雰囲気があるか
「そうですね。なんか、やっている側としては絶望感を感じながら試合をすることも結構、ありますけど、誰かがチームを助けてくれる、というシーンが本当に多かったので。それがきょうは僕のホームランでしたけど、やっぱりキヨさん(清宮)とかモーレ(レイエス)が本当にホームランしかないところで、いっぱいホームランを打ってくれましたし、ピッチャーが三振しかないってところで三振を取ってくれた。ほかの皆さんがすごく流れを変える活躍をしてくれて。全員でそういうチームをつくりつつあるのかなと思う。いける、という感じよりは、諦めていない、というような感覚の方が自分の中で正しいかなっていう気はします」
―きょうの試合、ヤバいなというタイミングは
「初戦の前から、ヤバいなと思っていましたね。佐々木投手と小島投手、ヤバいじゃないすか。普通に先発として。ベストピッチをされたら、ヤバいよなとは思っていたので。限りなくそれに近いクオリティーのピッチングだったと思いますし。始まってからは逆に想定内。ベストのパフォーマンスが来るだろうなと思っていたので。苦しい戦いになると思っていましたし、やっぱりそういう展開になるよな、というような気持ちですかね」
―九回、今季最後の打席になるかもと。悲観的な感覚があったか
「悲観的な感じではないですね。ただ、客観的事実としてそうなので。仮にあそこで凡退して負けたら最後の打席じゃないですか。変に冷静な自分もいたような感じはします」