《SHINJOの信条》泣きべそやね。まだ早い。うれし泣きなんで、許したろうかな(笑)
■2024 パーソル クライマックスシリーズ パ ファーストS第3戦 ロッテ2ー5日本ハム(10月14日、エスコンフィールド北海道)
―(試合後、自ら口を開き)
「きのうの試合が終わった後に知り合いから、Apple Watchをしていて、速報?みたいな文字が出てきて『この場所にいたら耳が危険な状態になるかもしれないので、すぐ立ち去ってください』みたいな。それほど(声援が)すごかった。北海道のファンの皆さんはおとなしいっていう印象が強かったんですけど、殻を破らせたというか、選手たちがそうさせたのは間違いないので、すごくうれしかったです。あとは闘将会(日本ハムの私設応援団)のテーマソング。きのうの七回、あれも感動しましたね。本当に感謝しています」
―相手のブーイングを拍手でかき消していた
「本当? ほ~、ほ~。一緒に戦ってますね」
―五回途中で田中正を投入した
「こういう試合の継投というか、采配。誰をも喜ばせる、感動させる采配っていうのも監督の仕事。あの場面で田中くんが僕の期待に応えてくれて『もう1回いくぞ、もう1回いくぞ、もう1回いくぞ』っていうアイコンタクトをして、その期待に応えてくれましたね」
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―出すと決めていたのか
「最初は抑えでいこうと思ってた、きょうは。きのう、(ロッテの)小島くんが四球を出して、ああいう流れになったから。北山くんがちょっと浮き出して、四球を出す前に代えようと思って、田中くん用意して、すぐいくよっていう形を取りました」
―イニングまたぎはアイコンタクトで
「そう。この後の試合もあるから、田中くんをいい状態で終わらせて、河野くんに託した。先のことを考えてました」
―最後の宮西はいつ決めた
「八回ですね。八回に、こういう舞台を経験している宮西くんっていうね。スタンドの盛り上がりで、宮西くんがグワーっと高まって。投球練習している時に『大丈夫、おまえに任した』っていうアイコンタクトを取った。(球の)速いピッチャーが多かったので、目が速いボールに慣れていたので、そこで宮西くん。まあ、ドラマ的な? あの場面は誰が行っても緊張するので。逆の意味での盛り上がりは斎藤友貴哉くんかなと思ったけど、きょうに限っては逆ユキヤが出てきそうな気がしたので、経験のある宮西くんに」
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―今後も流れを見て
「そう。誰を感動させるかっていう。きょうの継投で失敗したとしたら、新庄アンチはもうお祭り騒ぎでしょ(笑)。それも嫌いじゃないけど」
―田中正は第1戦も早めにブルペンに入っていた。いつでも投入できるように
「誰でも。こればっかしは説明できない。説明しようがないという継投ですね」
―今季一番の投球内容
「(最初の打者の)あの3球を見て、さあ次も行かせようと思いました。その後を見ても、よしいける、いける。で、藤原くんでガツーンといかれそうな雰囲気が僕の頭の中によぎって、準備は遅れたんですけど、河野くんをすぐ用意してもらった流れでしたね」
―水野が最高の仕事。キャンプの時から活躍が見えていたのか
「こういう時の水野くん、という話はベンチでしてました。ランナーがいない時はあまり期待してないけど、こういう時の水野くん。外野が前に来ているから、一塁ランナー帰ってくるよね。間抜くわっていう話はしてましたね」
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―犠打失敗で流れが悪くなったところ
「経験したことないから。ああいうバントのミスは(頭の中で)描いてました」
―2死からの得点。粘り強さが際立った
「今年はそうじゃない? なんか慣れた。この流れ」
―清宮が同点の2点打
「一発で仕留めましたね。盗塁も良かったしね。でも泣きべそやね。まだ早い。悔し泣きじゃないから、うれし泣きなんで、許したろうかなって(笑)」
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―北山もウルっとしていた
「もう、みんな泣いてた。本当にそれぐらいね、試合に対する思いっていうのが一つになっている」
―(練習中、顔面に打球を当てた)伏見は大丈夫か
「大丈夫ではない。鼻が折れて。ボールさえ見えれば。腫れが邪魔してボールがかすれるようであれば、入れ替えも考えているし」
―フェースガードなどを着けて
「そうね~。でも、あしたの様子を見てからじゃないですか。けがしてしまったことはもう仕方ないから」
―ファーストステージを制した。シナリオ通りに来ている
「もちろん。脚本的にはあと22ページあるんで(笑)」
―伊藤温存は勇気が必要だった
「本当に選手全員に、もう一回、福岡で伊藤くんの投げる姿を見たいっていう気持ちは、ものすごくある。チーム一丸となっての、きょうの勝利。勇気いりましたけどね。このクライマックスが始まる前に伊藤くんを監督室に呼んで、初戦なのか(別の日か)。俺は日本シリーズに行くことしか考えてないと(伝えた)。でも、これで終わる可能性もある。(登板日を)指さしてくれって。1秒たつ前に『ここ行きます』ってソフトバンクの1戦目。よし、気持ちは一致した。ありがとうって。そこまでなんとか伊藤くんが投げる前に勝つことだけを考えた。もうシナリオは作ったので、伊藤くんが初戦で(1勝1敗の)イーブンに持っていくだけのこと。ただ、そういう舞台を経験したことないからね。どうなるか分からないですけど、ここまで描いた通りになって、すごくうれしいです」
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―水野をレギュラーにしたのは何か見えていたのか
「これね、渡辺スコアラーとキャンプ中にある話をして。水野くんは逆方向にも飛ばす力ありますよねっていう話をしていて『水野は天才よ。彼はやりますよ』って。その後、朝に僕、ウエートしに行っていたんです。誰が一番、ウエートするんだろ、誰が一番、パワーがあるの?って言ったら、『水野やばいですよ、ベンチプレス140キロ上げられるんですよ』って。その話を聞いて、よし!レギュラー。そこから。そしたら次の試合でレフトオーバーのツーベース打つわ、右中間にフェン直を打つわ。タイミングがピタッとハマって、その1週間後かな? 3日後ぐらいに調子が悪くなってきたんですよ、オープン戦で。その時に彼を呼んで、レギュラーは水野くんと万波くん、その2人しか決まってないから(と伝えた)。その後の取り組み方や結果を見たら、ガンガン打って。そうすることによって、けがをしない体をつくるっていう思考に変わる。そこがタイミングですよ。は?嘘やん?っていう顔はしてましたけどね(笑)。その時は上川畑くんもショート(のレギュラーを)狙っていたから。そのタイミングはこっちがやりました。ただ(打率)2割2分じゃ、良くない。勝負強さは分かったので、あとは経験。彼がどういうふうにバッティングを変えていくかっていうところが大事になってきます」
―山本拓がベンチから外れていた。福岡を見据えて
「違う、違う。くしゃみして、背中がバチッと張ったというか。山本くんの持ち味、武器は思い切り投げて、腕を振る投手。それができないのであれば、ちょっと代える可能性もある」
―キーマンに挙げていた
「でもアクシデントも頭に入れておかないことにはね。けがしている選手を出すわけにはいかないし」
―痛い
「どのチームもそうですよ」
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