旭川実業の守備職人・角井佑成が悲願の秋タイトルへ意欲 父は甲子園でミラクル起こしたエース【秋季全道公式練習】
■秋季全道高校野球公式練習2日目(10月15日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
初戦の相手は難敵・クラーク
10月16日に開幕する秋季全道高校野球の公式練習2日目が札幌・大和ハウスプレミストドームで行われ、9校がグラウンドの感触を確かめた。昨秋16強の旭川実業は、2回戦で今夏の北北海道大会準決勝で延長タイブレークの末に敗れたクラークと対戦する。背番号14でベンチ入りする角井佑成内野手(2年)の父は、同校が1995年夏の甲子園初出場で8強入りし、〝ミラクル旭実〟と呼ばれたときのエース・修さん(47)。過去4度対戦して未勝利の難敵を攻略し、悲願の秋のタイトル獲得を目指す。
人工芝では心の準備も早めに
初めて人工芝の感触を確かめた角井。「いつものグラウンドより硬くて、球足が速くて、いつもよりグラブを地面に早くつけるとか、心の準備も早めにつくるところを意識してやった。そこをしっかりやれば、イレギュラーもないし、普通のグラウンドよりも全然跳ねないですし、捕りやすいかな」と歓迎した。
岡本大輔監督(51)は「堅実な選手ですね。守備とバントとバッティングについても状況を見ながら打ち明けてくれる。チームプレーに徹してやってくれる選手。どこかの場面で出場させたい」と、勝負所での起用を示唆した。
中学時代に監督だった父から教えてもらったこと
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中学硬式の旭川北稜リトルシニアでは、父が監督を務めていた。その3年間では「技術面もそうなんですけど、気持ちのことが多くて、最後まで諦めないっていうのを一番に教えてもらいました」。プレーの持ち味は安定した守備で、「アクロバティックに捕りに行くとかじゃなくて、堅実にボールに行って捕るプレーを意識してやってます」。
練習中に捻挫
支部大会では1回戦で途中出場したが、練習中に右足首を捻挫。まだ完治はしていないものの「今シーズン最後なので、冬で治すことを含めて、しっかりやり切る」と出番を心待ちにしている。
父は父、自分は自分
父の甲子園での活躍は当時の新聞スクラップやビデオで見て当然知っている。同校に入学したのは「父がきっかけではなくて、周りの人たちとか、実業の姿勢とか、全部の高校を見た中で実業がいいなと思って選びました。父は尊敬はしているんですけど、自分は自分なんで。父に似せようとか、追いかけようとかはなくて、自分は自分なりにやっていこうと思ってます」。今も父の存在を重荷に感じることなく、プレーに集中する。
強い相手こそ燃える
クラークとはこれまで3季通じて4戦全敗。2021年秋の決勝、今夏の北北海道大会準決勝と、常に甲子園出場へ立ちはだかってきた宿敵だ。「これまであんまり勝ってないけど、勝ってない時こそやっぱ燃える。ぶつかって行こうっていう気持ちが強い。クラークだけじゃなくて、もっと強いチーム、勝ち上がって行ったチームにも向かって行って、強い気持ちでやっていこうと思ってます」。相手は関係ない、リベンジは通過点。見据えるのは頂点ただ一つだ。