ファイターズ
《ハム番24時》10月17日
周囲の心配の大きさは、期待の裏返しだと感じていた。CS初戦の試合前、山本拓への取材を試みると、あっという間に囲みの輪ができた。
日本ハム側の報道陣だけでなく、ソフトバンク側のメディアも多数集まり、その輪は3重にも4重にもなった。背中の張りを訴えている右腕の回復具合は、今シリーズの関心事の1つだった。
シーズンでは防御率1点台を記録し、CSでもファーストステージで好リリーフを披露。小さな勝負師のブルペンにおける存在感は、日に日に増していた。
針や電気など治療の手を尽くし、本人は「その日の状態を見ながら判断する感じになるけど、負けたら終わりなので自分としては行くしかないと思っている」と、日本シリーズ進出への決意を誓っていた。
強い覚悟を口にしたが、17日の第2戦を前に登録抹消となった。レギュラーシーズンで、ともに中継ぎを支えた池田に続いての離脱。推し量ることもできないほど、無念さを感じていることだろう。
前日に合流した柳川が「先輩たちの負担を少しでも減らせるような活躍をしたい」と言えば、この日登録された福島も「チームを勝たせることができるように、しっかり抑えたい」と闘志を燃やした。シーズン序盤に投手陣が合い言葉とした〝ワンチーム〟の力を、今こそ見せるときだ。