松本剛が意地のモイネロ、オスナ撃ち 崖っぷちでも逆襲の炎は消さない―
■2024 パーソル クライマックスシリーズ パ ファイナルS第2戦 日本ハム2-7ソフトバンク(10月17日、みずほペイペイドーム)
日本ハムの松本剛外野手(31)が17日、みずほペイペイドームで行われたCSファイナルステージのソフトバンク戦にスタメン出場し、中犠飛と2安打をマークして気を吐いた。試合は一方的に押し切られ、厳しい連敗となったが、あきらめない。新庄剛志監督(52)の就任後、チームを支えてきた選手会長は、どんなに不利な状況でも必死に食い下がる。
守備時も相手打線の手強さ痛感
CSファーストステージの劇勝で深めた自信と、膨らんだ希望が打ち砕かれた。レギュラーシーズンで独走優勝を果たした宿敵は、屈強だった。隙が見当たらない。この2戦を振り返り「見ての通りという感じですかね。やっぱりセンターを守っていても、打線がすごいですし、みんな、振れている」とあらためて脅威を感じた。
たとえ攻略できてなくても… あしたまた自信を持って打席に向かう
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自身は、難敵のモイネロを攻略した。2点を追った二回1死二、三塁で中犠飛を放つと、五回には中前打でチャンスメーク。一定の役割を果たしたが「負けたので、モイネロ投手へのアプローチどうこうじゃなくて。アプローチが悪くても勝てばいい試合だと思う」と表情を引き締めた。
5点ビハインドの九回には抑えのオスナから中前にはじき返し、ファイティングポーズをとり続けた。少しでも抵抗することに意味があった。「あした、まだ試合がありますし、最後の打席もあしたにつながる打席にしようと思って、立ちました。そういう意味ではヒットが出たので、あしたは自信持って打席に向かいたい」。
チームのためにできること
2022年の首位打者は今季、苦しんだ。打率は2割5分前後で推移し、.236でフィニッシュした。もちろん、納得できる数字ではなかった。ただ、チームのためにできることを常に考えていた。その成果の一つが、2年ぶりのシーズン20盗塁だった。負傷していたアキレス腱(けん)の状態が良化したこともあるが「野球は打つだけではない種目なので、ほかのところでカバーできる部分がある。その意識はありました」と明かした。
試されるチームの結束力と底力
苦境に立たされているからこそ、チームの結束と底力が問われる。新庄監督は試合後、広報を通じて「ただただあしたは全員で勝ちに行くだけ」とコメントした。リーダーを務める松本剛の考えも同じだ。「どんな勝ち方でもいいのでまずあした勝って、つなげたい。みんな、悔しがっていますけど、落ち込んでいる感じはないので、ぶつかっていくだけだと思います」。このままでは、絶対に終われない。