伊藤大海 オフは雲隠れトレ!「行方不明になります」
雲隠れトレで、バージョンアップだ! 日本ハムの伊藤大海投手(24)ら7選手が7日、札幌市内の球団事務所で契約更改に臨んだ。先発ローテーションを守り、10勝(9敗)を挙げたドラ1・伊藤は2600万円アップの4100万円でサイン。自己評価は「75点」と語り、来季のさらなる飛躍へ、オフは「行方不明になる予定」と“雲隠れ”を予告した。しっかりと自分と向き合って、総合的なレベルアップを図る。(金額は推定)
2600万円増の4100万円で契約更改
伊藤はドラ1右腕として、期待にたがわぬ成績を残した。23試合に先発し10勝9敗、防御率2.90をマーク。規定投球回もクリアし、しっかりと評価された。「僕自身、そこに甘えることなく課題は多くあるので、また来年いいスタートが切れるように頑張っていきたいと思う」と伊藤は先を見据えた。
まさにフル回転のルーキーイヤーだった。東京五輪にも選出され、3試合に登板。5回0/3を見事な投球で無失点に抑え、金メダルを獲得した。白い粉が舞い上がるほど、ロジンバッグを使用し、SNS上で「追いロジン」という言葉も生まれた。注目された舞台でも自分を貫き、実力を示した。
伊藤は「あれだけの緊張感のある場面で投げさせてもらって、日本中が金メダルをとって当たり前だという雰囲気の中での登板ではあった」。その重圧があったからこそ、ガッツポーズも自然と大きくなった。「プレッシャーは自分自身すごく抱えていて、本当にその相手に対してのガッツポーズではなくて、己に勝ったなという、体の中から出てくるようなものだった」と振り返った。
「群がってやるのは好きではない」マイペース貫く
激動の1年の反動は大きかった。オフに入ると、自然とスイッチは切れた。「ちょっと朝起きるのがつらかったりとか、実際に感じている部分よりも、体も精神的にも疲れていたのかな。最近、覇気がないなと感じるので徐々に取り戻していきたい。母親にも『勝負師じゃない顔をしている』と言われた」と笑った。
真価が問われる2年目に向かう。オフの自主トレプランは「選手としては1人で。行方不明になります」とニヤリ。「群がってやるのは好きではない。まずは、この1年間のトータルを反省して、自分でどれだけキャンプまでもっていって、開幕にしっかりつながられるかを試したい」と説明した。
周囲に流されることなく、マイペースを貫けるのも伊藤の長所。「今年の成績は関係なく、ビッグボスに使ってみたいと思われる投手に、キャンプの時点でアピールしていきたい」
エース上沢とともに、投手陣の柱としての働きが求められる。来シーズン、その期待値を上回る数字をたたき出す。
■データBOX 伊藤が初の契約更改で2600万円アップを勝ち取った。日本ハムでは2004年の北海道移転以降、大卒新人投手が初更改で大幅増を勝ち取った投手では06年の八木が挙げられる。ルーキーイヤーを12勝8敗の好成績で新人王に輝き、1500万円から3500万円アップの5000万円をゲット。他では11年の斎藤、15年の有原が倍増の3000万円で、08年の宮西が1000万円増の2000万円で初めての契約更改を行った。