伏見寅威 反撃のソロ弾&献身リード フル回転の投手陣に感謝 打倒ホークスは来年に
■2024 パーソル クライマックスシリーズ パ ファイナルS第3戦 日本ハム2-3ソフトバンク(10月18日、みずほペイペイドーム)
頼れる扇の要 バットでインサイドワークでチームを鼓舞
日本ハムの伏見寅威捕手(34)が18日、みずほペイペイドームで行われたCS(クライマックスシリーズ)ファイナルステージのソフトバンク戦にスタメン出場し、奮闘した。
レギュラーシーズン中は1本もなかった本塁打で重苦しいムードを一変させ、守っては献身的なリードで投手陣をけん引。敗退が決まった試合後はあらためてライバルの強さに言及し、雪辱の意思を表した。
3連敗でリーグ王者に屈した 「完敗ですね」
重たすぎる3連敗だった。主導権を握れないまま、押し切られた。2試合でスタメンマスクをかぶった伏見は「完敗ですね。一回も勝てなかったので悔しいです」と潔く結果を受け止めた。
中4日での「さちとら」バッテリー
リリーフ登板から中4日で先発した山崎とバッテリーを組んだ。オリックス時代から親交の深い盟友は、重圧の懸かるマウンドで苦しみながらも必死に粘った。
一回に2点を失ってから持ち直し、四回途中3失点(自責2)。「初回はちょっとバタバタしたんですけど、そこから冷静になってくれて、自分の持ち味とかをしっかり出してくれたかなと思います」と相棒をたたえた。
三回に反撃の口火を切るソロアーチ
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2点を追った三回の攻撃では、チームが打ちあぐねていたスチュワートから左翼へソロ弾を放ち、反撃ののろしを上げた。
チームに勇気を与える一発を振り返り「シーズンで1本も打っていないですけどね。でも、なんとかしようという気持ちが出た打席だったのかなと思います」と少しだけ表情を緩めた。
はねのけた鼻骨骨折のアクシデント
14日の練習中にノックの球が当たり、鼻骨を骨折。今回は負傷を押して戦い抜いた。あらためて影響を問われ「出る以上は関係ないと思っていたので。見た目は(腫れて)こんなんですけど、全くそこは考えずにやっていました」と気丈に答えた。
ホークスとの差を冷静分析
オリックス時代、リーグ連覇や日本一に貢献した。頂点に立つ喜びや、短期決戦の難しさを知っている。今回のソフトバンクについては「ホームラン、長打力で向こうに点を取られて。こっちもヒットは出ているんですけど、やっぱり勝負どころで一本出ない。そういうところで有利に有利に、試合を進められた」と冷静に分析した。
レギュラーシーズン中は12勝12敗1分けと五分の戦績だったが、故障者が戻り、ベストに近い布陣を敷いた相手の地力は想像以上だった。「常に劣勢を感じながらやっていて。きょうは追い付いたんですけど、すぐにああいう形(犠打を絡めた手堅い攻撃)でしっかり1点を取る。そういうところはやっぱり隙がない」と認めた。
誓った雪辱 さらなる進化を宣言
ただ、やられっぱなしで引き下がるつもりはない。
「難しいイレギュラーな登板もピッチャー陣が対応してくれて、キャッチャーとしてはすごく感謝しています。でも、まだまだ満足はできない。来年以降、やり返すという気持ちで、バッテリーでもっともっと上に行けるように頑張っていきたい」。ベテランと呼ばれる年になっても向上心は衰えない。発展途上の投手陣とともに、進化を追い求める。