札幌が名古屋に2-0快勝 MF駒井善成の〝ダブルメモリアル弾〟で残留戦線踏みとどまる
■J1第34節 名古屋0―2札幌(10月19日、愛知・豊田スタジアム)
北海道コンサドーレ札幌は、前半38分に生まれたMF駒井善成(32)の〝ダブルメモリアル弾〟が決勝点となり、名古屋に快勝。敵地で貴重な勝ち点3をゲットした。厳しい状況は続くものの、この日の勝利を奇跡の逆転残留への追い風にしたいところだ。
キャプテンマークで先発「ほっとした」
豊田スタジアムでの今季最終戦、そして試合後には7年間にわたり名古屋のゴールマウスを守り抜いてきたオーストラリア代表GKランゲラック(36)の退団セレモニーが行われることもあり、3万3000人を超える名古屋サポーターが駆けつけた一戦。だが90分間の戦いを終え、勝利の凱歌を揚げたのは、J1残留に向けて負けられない戦いを繰り広げている札幌だった。この日キャプテンマークを巻いて先発出場した駒井は「調子が良いタフな相手に、クリーンシートで勝ち切れたのは、すごく自信にもつながるし、率直にほっとした」と、安堵の表情を浮かべて勝利の味をかみしめた。
試合開始当初は名古屋がボールを保持する展開が続いたが、「今日はゾーン気味で守ると決めていたので、相手にボールを持たれるのはある程度想定どおり」と語るように、普段のマンツーマンを捨て、割り切った戦いを展開。「何回かクロスから際どいシーンはあったけど、そんなに決定機をつくられたわけではなかった。その中で粘り強く戦って、1点取れたのはプラン通り」と前半45分間を振り返る。
先制点決めたけど「あれは彼の点」
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そして「プラン通り」に事を進める上で、貴重な先制点となったゴールを決めたのも駒井だった。右サイドからMF近藤友喜(23)が仕掛け、ペナルティーエリア内の深い位置までえぐると、ラストパスをフリーで受けた駒井が右足できっちりとゴールをゲット。この得点はクラブのJ1通算アウェー250点目という記念すべきゴールとなった。「常々近藤とはクロスの話をしていて、切り込んだときに流し込んでほしいと言っていて。あの1点は僕が取ったけど、彼の点だった。ごっちゃんゴールだったけど、日頃からコミュニケーションを取ってきたおかげだと思う」と、近藤への感謝を口にした。
J1通算アウェー50勝目に到達
後半は幾度となく名古屋にゴールマウスを脅かされたが、決定的なシュートが2度ポストに当たって救われる幸運もあり、FW鈴木武蔵(30)の追加点で勝負を決定づけた札幌が勝利。この1勝はクラブのJ1通算アウェー50勝目となるなど、こちらも節目を飾った。快挙を受けて駒井は「J1アウェー250点、J1アウェー50勝と、そういう記録をどんどん伸ばしていくためにも、J1に居続けなければいけない」と決意を新たにする。
ライバルチームも勝ち点伸ばした
大きな勝利をつかみ取ったものの、残留を争う他チームも勝ち点を伸ばしたことで、次節のホームC大阪戦(11月3日、プレド)で札幌のJ2降格が決定する可能性も出てきた。だが駒井が「みんなでハードワークして、目の前の試合をひとつひとつ大切にして、勝ち点3を積み重ねながら残留を目指していきたい」と語るように、札幌の闘志に陰りなどみじんもない。奇跡を信じ、残り4試合を戦い抜く。