ファイターズ
《ハム番24時》10月19日
幻となったCS(クライマックスシリーズ)ファイナルステージ4戦目。ここで登板を予定していたのは、2年目の金村だった。投げたい気持ちは強かっただろうと想像していた。敗退から一夜明け、心境を尋ねると「もちろん投げたかったです。チームが勝つことを信じてしっかり準備していましたから」と即答した。
柳田、栗原、山川、近藤を中心に、打線の強さが際立ったソフトバンク。レギュラーシーズンで2ケタ勝利を挙げた伊藤、加藤貴、山崎の3本柱が苦しめられた。
3戦目まで見て、強力打線を封じるイメージは構築できたのか―。金村は「個の能力がすごい。一人一人の勝負に気を張るのではなく、自分のピッチングに集中することが大事だなと。割り切っていくしかない」と想定。続けて「大げさに言うと、コースを狙うより、ど真ん中の真っすぐを投げるくらいの気持ちで、勝負するつもりでした」と教えてくれた。
怖がらず、攻めきれていたら、活路を開けたのかもしれない。最後はマウンドに上がれず、少し残念だったが、24歳の有望右腕は「試合を見るだけで緊張しましたし、いい経験ができたので、来年に生かしていきたい」と前を向いていた。物語はまだ続く。悔しさを晴らす機会を楽しみにしている。