【プレーバック】秋季全道高校野球大会準々決勝 東海大札幌高3-1クラーク(10月20日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
東海大札幌高が2年連続4強入り
東海大札幌高はエース・高橋英汰投手(2年)が札幌支部準決勝以来となる先発マウンド。クラークは初戦に続いて、エース・辻田丞投手(2年)が2試合連続で先発した。
開始早々、東海大札幌高が相手の守備のミスを見逃さず、先制につなげた。先頭の山口聖夏遊撃手(2年)が相手失策で出塁すると、続く桜庭りき右翼手(2年)の左前打、さらに鈴木賢有捕手(2年)の三塁線へのバントヒットで無死満塁とすると、太田ツインズの弟・勝馬一塁手(2年)の大きな右犠飛で、三走が楽々生還した。
クラークもすぐに反撃した。1死から相手失策で走者を出すと、3番・辻田が左前にチーム初安打。犠打で2死二、三塁と一打逆転まで好機を広げたが、5番・大橋正義一塁手(2年)が三振に打ち取られ、同点にはならず。
三回、東海大札幌高は先頭の桜庭が右中間へ打ち上げた当たりを、相手の右翼手と中堅手がお見合い。ラッキーな二塁打で好機をつくると、1死三塁から再び4番・太田勝馬が左前への適時打で追加点を奪った。クラークは四回2死で、辻田から1年生左腕の青木櫂士投手にスイッチ。辻田は左翼に回った。
四回以降は両投手が好投し無安打が続いたが、六回には両軍ベンチの勝利への采配が交錯した。東海大札幌高は先頭の太田勝心(まさむね)中堅手(2年)の内野安打と死球で無死一、二塁の好機をつくると、7番・高橋の打席で、遠藤愛義監督(40)は犠打を仕掛けたが失敗。すると8番・豊島夏蹴(かける)左翼手(2年)に初球から2球連続でランエンドヒット。結果的に三振に倒れたが、なおも2死一、二塁。今度はクラークが、青木投手から再び辻田にスイッチ。後続を一ゴロに仕留め、切り抜けた。
六回、ついにクラークが東海大札幌高の高橋を攻略した。先頭の佐々木俊介右翼手(1年)が中前に安打を放つと、1死後、3番・辻田が右翼戦に落ちる適時二塁打。1点差に迫り、勝負の行方は中盤戦へ突入した。
ラッキーセブンの七回。東海大札幌高は、2死から3番・鈴木が敵失で出塁すると、一回と三回に打点を挙げている4番・太田勝馬が左翼線を破る適時打。3度バットで存在感を示した。
再び2点リードした東海大札幌高は、六回まで1失点と好投した高橋投手を左翼に下げ、18日の初戦で先発した143キロ左腕の矢吹太寛投手(2年)をマウンドへ。矢吹は7番から始まるクラーク打線を3者凡退に打ち取ると、3イニング無失点。盤石の継投で逃げ切った。
■一回に先制犠飛、三回、七回にも適時打と、3得点全ての打点を稼ぎ出した4番・太田勝馬一塁手(2年)
「全道に入って1、2回戦と、自分はみんなに助けられてばかりだった。きょうの試合は自分が打ってみんなを助けるんだ、という気持ちでやりました。4番にずっと置いてもらっているので、期待に応えられたかなと思います」
■この秋就任した東海大札幌高の遠藤愛義監督(40)
「(勝馬は)やっと仕事した、って感じですね。なかなか結果が出なくて悩むこともありましたが、思いきりよくいけた。打順にこだわりはないんですが、子供たちの表情など全部見て考えている。打順は変わることはある。ただ、気持ちが乗っている選手で4番目にいる」