夏春連続V狙う札幌日大高が逆転勝ち 帯川主将がダメ押し3ラン【秋季全道大会】
■秋季全道高校野球大会第5日(10月20日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
▽準々決勝 札幌日大高9-4北星大付
夏春連続甲子園を狙う札幌日大高が、序盤の4点差を終盤の集中打でひっくり返し、準優勝した2019年以来の4強入りを果たした。同点で迎えた七回2死から1点勝ち越し、なおも一、三塁で主将の帯川拳誓遊撃手(2年)が自身のプレド初本塁打となる3ラン。2打席前には顎付近に死球を受けたが、気迫のこもった一振りで試合を決定づけた。東海大札幌高との準決勝は、2日間の休養日を経て23日に行われる。
内角低めの直球を右翼スタンドに
ボールが2球続き、0-2のヒッティングカウントから、内角低めの直球を一振り。打球は大きな放物線を描いて、高いフェンスの向こうでポーンと跳ねた。それまで4打席無安打だったが「チャンスで1本がなかなか出なかったので、なんとか1本が出れば、と。その一心で強気で打席に立ちました。最悪、捕られてもタッチアップでなんとかつながるかな、って」。夏の甲子園1回戦の京都国際戦九回で打った、右越え2点二塁打と同じ、得意のコースを見逃さなかった。
五回の打席では、右顎に死球を受け臨時代走が送られた。ヘルメットのチンガードに当たったとはいえ、皮膚が切れて出血した。「あれが当たって少し目が覚めた。少し違和感はあるが、恐怖は全くなかった」と胸を張った。
野球人生初の主将も「オレしかいない」
初の甲子園出場の次の代の主将を引き継いだ。野球人生で初めての主将の大役だが「オレしかいない」と引き受けた。「率直にやってていいなって。プレッシャーは特にそう感じるタイプではない。甲子園に行ったチームって相手が勝手に崩れたりしてくれるけど、鼻にかけないで、3年生が残してくれたものを、うまく引き継ごうと常に考えています」。
戦いぶりは、昨秋とは真逆の展開だった。昨秋の札幌支部1回戦の北海戦は、五回までに5点リードも終盤に逆転負け。19日の北照戦に続き、先制される展開だったが、投手交代の六回に一気に攻め立てた。「練習試合とか前の公式戦だったら、先制点を取られてマイナスの雰囲気が続いたが、このチームなら、ひっくり返すんじゃないか、という雰囲気が常に出ていて、負ける感じは全くなかった」。劣勢でも決して諦めない精神的なタフさが一番の強さの要因だ。