孫易磊 来年3月の台湾凱旋登板へ照準「2試合連続で、どちらも投げたい」
■みやざきフェニックス・リーグ 日本ハム5ー0IP(10月20日、宮崎・生目の杜運動公園第2野球場)
四回から2番手登板 2回を無失点
日本ハムの孫易磊(スン・イーレイ)投手(19)が20日、生目第2球場で行われたみやざきフェニックス・リーグのIP(日本独立リーグ野球機構選抜)戦の四回から2番手で登板し、2イニングを無失点に抑えた。
ピンチにも動じず 力の差を見せつけた
美しい投球フォームから、剛球が放たれる。五回に、味方と自らの失策で2死満塁のピンチを招いたが、3アウト目は力でねじ伏せた。気迫あふれる独立リーガーたちの挑戦をはねのけた右腕は、最後まで涼しい顔でマウンドに立ち続けた。
パワーアップに成功 課題は肉体のコントロール
一回り大きくなった体が、日本で過ごした1年間の進化を証明する。来日時よりも体重は3、4キロ増え、フィジカル面の成長を実感している。
目下の課題は、パワーアップした肉体を自由自在に操ることだ。「体が成長した部分を技術に転換するのがうまくできていない。自分の体に慣れていないので、登板間の調整で何をすれば、次の登板を良い感じで迎えられるのか。そこが難しいところです」と、この秋も実戦を通して試行錯誤を繰り返すつもりだ。
来年3月 中信ブラザーズ&統一ライオンズと対戦
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長いオフを乗り越えた先には、楽しみが待っている。日本ハムは来春、海を渡り、台湾プロ野球2球団との交流試合を予定している。3月1、2日に台北で行われる試合へ向け、「2試合連続で、どちらも投げたいと思っています」と胸を高鳴らせる。
浦野2軍投手コーチも期待 「素晴らしい投手」
現在は育成契約で、球団はじっくり時間をかけて超一流の素材を育てる方針だ。
浦野2軍投手コーチは、その才能が世界レベルであることを認め「素晴らしい投手。スピードがあって、変化球を投げるのも苦にしない器用さがある。今年はこちらで球数、イニングを決めて(管理しながら)やってきた。上で投げる姿を早く見たいけど、徐々に徐々に。トレーニングも練習もしっかり取り組む選手なので、焦らずにやってもらえたら」と大きな期待を寄せた。
育成出身の福島や柳川から刺激
年齢が近い福島や柳川が1軍で活躍する姿は、孫易磊にとっても大きな刺激になっている。だが、せいては事をし損じる。一流でなく、超一流の投手を目指して着実に階段を上っていく。
「1年目は60点。初めてで分からないことがあって、コンディショニングがうまくできないこともあったので。ただ、伸びしろはたくさんあると思っています。オフにもっと体を大きくして、安定感を身に付けて、成長した姿を見せたい」
将来性豊かな本格派右腕
近未来のエース候補がひしめいている。最速157キロ右腕が1軍の戦力になった時、ファイターズは投手王国を形成する。