柳川大晟 若き豪腕が抱く大望「先発にチャレンジしたい」
飛躍のシーズンを終えて
みやざきフェニックス・リーグに参加中の日本ハム・柳川大晟投手(21)が、大望を胸に秘めてトレーニングに励んでいる。
プロ3年目の今季は5月に支配下契約を勝ち取り、8セーブを記録。CSファイナルステージを経験するなど飛躍のシーズンとなった。将来性豊かな右腕はこのオフ、先発再転向を視野に入れ、さらなる成長を目指す。
宮崎ではしばらくノースロー
激動のシーズンを走り抜け、現在は温暖な南国の地で心身の疲れを癒やしている。宮崎・アイビースタジアムで予定されていたオリックス戦が雨天中止となった22日は、室内練習場でランニングメニューを消化。「しばらくノースローで肘肩を休めます」と、柔らかな笑みを浮かべた。
勝負の夏場には守護神に抜擢
5月に先発で1軍デビューを果たし、7月の再昇格以降はリリーフに専念。勝負の夏場に守護神を任されるほど、中継ぎへの高い適性を示した。新庄監督が「最終的には抑えで12球団ナンバーワンになる可能性がある」と見込んだ通りの活躍は、チームの明るい未来を予感させた。
セーブ重ねていたときも葛藤 「あれがベストと思われているなら…」
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だがマウンド上で躍動する裏で、柳川自身は葛藤を抱えていた。「セーブを挙げていても、全然本調子ではなかった。最速は157キロなのに、試合では150ちょっとしか出なかった。あれがベストパフォーマンスと思われているなら、かなり悔しいです」と本音をもらす。
9月上旬には疲労がピークに
中継ぎ稼業は想像以上に過酷だった。登板の有無にかかわらず、毎日ゲームへ向けて準備を進める。調整法を確立できていない21歳は「めちゃくちゃ大変。やらないと出力が落ちてしまうのに、ウエートをするタイミングも難しくて…」と、コンディション管理に苦しんだ。
メンタル面の負荷も大きく「8月後半に点を取られてから、一気に疲れが出た」と振り返る。9月上旬には「熱もないのに風邪を引いたときのように体が動かなくなった。急にハイペースで投げることになって、体力が持たなかった」と疲労がピークに達し、パフォーマンスを落とした。
「ミヤさんはマジで偉大」
リリーフの苦労とやりがいを味わった今、先輩たちへのリスペクトの念は強くなった。「ミヤさん(宮西)はマジで偉大です。なんとなくすごいな~と思っていた400ホールドの意味も、一緒にブルペンやベンチで過ごすことで分かりました」と感服する。
育成から超一流へ 新たな野心
良いも悪いも経験し、胸の中には新たな野心が芽生えている。
「先発にチャレンジして、もっとチームの勝ちに貢献したい。今年は1カ月ぐらいしか取り組んでないけど手応えはありました。球が速くて三振が取れる、抑えみたいなピッチングができる先発になりたいです」
メジャーリーグで活躍する千賀や山本など、中継ぎから先発転向し、大エースが誕生した例もある。育成から超一流へ上り詰めるために、若き豪腕は進むべき道を探している。